2023年03月25日

生卵を割る瞬間

おはよう今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.03.25第一面より引用掲載させていただきました。
生卵落ちる感触は黄の重さつつみ放てる冷たさににて  
       高橋みずほ『野にある』


 まだうすら寒い朝、冷蔵庫から冷たい卵を取り出して、机の角にコツッと当てる。ボウルに生卵を落とす。白い殻の割れ目から、帰路の黄味が顔を出し、半透明の白身に包まれながら落下してゆく。その雰囲気を捉えた歌だ。
 ありふれた場景だが、表現方法が独特。黄味の「重さ」を白身の「冷たさ」が包み解き放つ。重さや冷たさという抽象的な表現で黄味と白身を表現していて面白い。(大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 09:12Comments(0)出来事