2024年03月30日
桜満開
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.30第一面より引用掲載させていただきました。
満開の花暗くする花の奥
倉田明彦『卵』

満開の花を詠いたいと挑戦するのだが、これという句ができない。大方の俳人の思いであろう。
掲句は花の奥が暗いという一瞥(いちべつ)の感触を捉えられ納得できる。咲き揃うことは明るくない。これでもかという花にも力が入る。
花の盛りの暗い思いを感じても、人は誰にも話さない。私だけの感じ方であって「私の人生暗かった」という私の偏見の投影のように思ってしまうのではないか。
歳をとると偏見が面白くなる。完璧よりも楽しい。(宮坂静生)
※日本農業新聞2024.03.30第一面より引用掲載させていただきました。
満開の花暗くする花の奥
倉田明彦『卵』

満開の花を詠いたいと挑戦するのだが、これという句ができない。大方の俳人の思いであろう。
掲句は花の奥が暗いという一瞥(いちべつ)の感触を捉えられ納得できる。咲き揃うことは明るくない。これでもかという花にも力が入る。
花の盛りの暗い思いを感じても、人は誰にも話さない。私だけの感じ方であって「私の人生暗かった」という私の偏見の投影のように思ってしまうのではないか。
歳をとると偏見が面白くなる。完璧よりも楽しい。(宮坂静生)
2024年03月29日
「権現山」山登りのお知らせ
むべなるかな
山登りのお知らせ
今回は「ごんげんさん」の呼び名で有名な奥津山通称権現山(ごんげんやま)別の名を「元富士」とも言います。
そういえば、先のとがった綺麗な山ですね。
是非とも今回はチャレンジしてくださいね!親子連れ大歓迎です!

山登りのお知らせ
今回は「ごんげんさん」の呼び名で有名な奥津山通称権現山(ごんげんやま)別の名を「元富士」とも言います。
そういえば、先のとがった綺麗な山ですね。
是非とも今回はチャレンジしてくださいね!親子連れ大歓迎です!

2024年03月29日
西行桜
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.29第一面より引用掲載させていただきました。
一夜(ひとよ)さを大樹の下に眠るならさくらのことば聞こえてくるか 富田豊子『臥龍梅』(がりゅうばい)

桜の開花の報が各地から伝えられてくる。桜はすぐに満開になる。
かつて西行法師は、月夜の満開の桜の木の下で死にたい、と歌った。あの願望は、西行のみならず、私たちの心の底にずっと眠っているのだろう。満開の桜の下で眠る。夢のなかにも花が散る。はなびらのひとつひとつが触れあってかすかな音を立てる。それは言葉のようだ。そのささやきを聞きながら、ずっとそこで眠っていたい。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.03.29第一面より引用掲載させていただきました。
一夜(ひとよ)さを大樹の下に眠るならさくらのことば聞こえてくるか 富田豊子『臥龍梅』(がりゅうばい)

桜の開花の報が各地から伝えられてくる。桜はすぐに満開になる。
かつて西行法師は、月夜の満開の桜の木の下で死にたい、と歌った。あの願望は、西行のみならず、私たちの心の底にずっと眠っているのだろう。満開の桜の下で眠る。夢のなかにも花が散る。はなびらのひとつひとつが触れあってかすかな音を立てる。それは言葉のようだ。そのささやきを聞きながら、ずっとそこで眠っていたい。(大辻隆弘)
2024年03月28日
灯明まつり
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.28第一面より引用掲載させていただきました。
灯明に木霊(こだま)ひしめく春祭 中嶋鬼谷『第四楽章』

いま「六〇年安保時代の破案山子(やれかかし)」などといっても、それなんのことなどと無視されよう。作者はそれを生きる矜持(きょうじ)として、「八十五歳になる今日まで、権勢におもねるような生き方はしてこなかったつもり」という。
同世代として共感する。秩父出身者として自由民権の中心人物井上伝蔵の伝記を公刊し、秩父の女流俳人馬場移公子を調べた。長く加藤鍬邨門の俳人であった。
春祭り灯明には木霊も地霊もわんさと集まる。60年安保の敗者も勝手に参加すればいい。(宮坂静生)
※日本農業新聞2024.03.28第一面より引用掲載させていただきました。
灯明に木霊(こだま)ひしめく春祭 中嶋鬼谷『第四楽章』

いま「六〇年安保時代の破案山子(やれかかし)」などといっても、それなんのことなどと無視されよう。作者はそれを生きる矜持(きょうじ)として、「八十五歳になる今日まで、権勢におもねるような生き方はしてこなかったつもり」という。
同世代として共感する。秩父出身者として自由民権の中心人物井上伝蔵の伝記を公刊し、秩父の女流俳人馬場移公子を調べた。長く加藤鍬邨門の俳人であった。
春祭り灯明には木霊も地霊もわんさと集まる。60年安保の敗者も勝手に参加すればいい。(宮坂静生)
2024年03月27日
まち協ニュースR64月号早見版
島学区まちづくり協議会ニュース令和6年4月号出来ました!
#「ちょこっとサービス送迎用専用車両入庫
&令和6年度島学区自治連合会三役及び各町自治会長決まる!
$子育てサロン開設中!
%地域再生大賞、受賞報告
◇むべなるかな山登り実施報告
▼ふるさと今昔物語「白王町」
◎ウオーキングのお知らせ 京都水道局さつき鑑賞
▆その他今月のお知らせ
以上のラインナップです!



#「ちょこっとサービス送迎用専用車両入庫
&令和6年度島学区自治連合会三役及び各町自治会長決まる!
$子育てサロン開設中!
%地域再生大賞、受賞報告
◇むべなるかな山登り実施報告
▼ふるさと今昔物語「白王町」
◎ウオーキングのお知らせ 京都水道局さつき鑑賞
▆その他今月のお知らせ
以上のラインナップです!



2024年03月27日
そらいろのたね
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.27第一面より引用掲載させていただきました。
幼子と読みし絵本の「そらいろのたね」のきつねに私は似てる 野田雅子『見上げて』

『そらいろのたね』は半世紀にわたって読み継がれている絵本。キツネから空色の種をもらったゆうじくん。彼がそれを蒔くと、あら不思議、地面から空色の家が生えてきた。その家はどんどん大きくなって動物たちがそこで暮らすようになる。が、欲張りなキツネは、その家を自分のものだと主張しだして「家をかえして」と言い始める。そんなストーリー。作者はそのちょっと欲深いキツネに自分の一面を見たのだろう。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.03.27第一面より引用掲載させていただきました。
幼子と読みし絵本の「そらいろのたね」のきつねに私は似てる 野田雅子『見上げて』

『そらいろのたね』は半世紀にわたって読み継がれている絵本。キツネから空色の種をもらったゆうじくん。彼がそれを蒔くと、あら不思議、地面から空色の家が生えてきた。その家はどんどん大きくなって動物たちがそこで暮らすようになる。が、欲張りなキツネは、その家を自分のものだと主張しだして「家をかえして」と言い始める。そんなストーリー。作者はそのちょっと欲深いキツネに自分の一面を見たのだろう。(大辻隆弘)
2024年03月26日
朧月(おぼろづき)
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.26第一面より引用掲載させていただきました。
朧月(おぼろづき)読経のごとく出刃を研ぐ 三品吏紀『岳俳句鑑』

作者は帯広の料理人。食堂を経営する若手。ときどき上京して、句会で会う。魚料理にとり出刃の切れ味はいのち、当然士気にかかわる。
わが父もことあるごとに出刃を研いでいた。6代続いた魚問屋であったが、父の代で廃業。それだけに、止めてからも出刃を研いでいた。刃物をいい加減にできない幻が囁(ささや)いたようだった。
掲句は手慣れている。空に朧月、花見シーズンに入る。商売も上向きなのであろう。微妙な切れ味が魚を引き立てる。(宮坂静生)
※日本農業新聞2024.03.26第一面より引用掲載させていただきました。
朧月(おぼろづき)読経のごとく出刃を研ぐ 三品吏紀『岳俳句鑑』

作者は帯広の料理人。食堂を経営する若手。ときどき上京して、句会で会う。魚料理にとり出刃の切れ味はいのち、当然士気にかかわる。
わが父もことあるごとに出刃を研いでいた。6代続いた魚問屋であったが、父の代で廃業。それだけに、止めてからも出刃を研いでいた。刃物をいい加減にできない幻が囁(ささや)いたようだった。
掲句は手慣れている。空に朧月、花見シーズンに入る。商売も上向きなのであろう。微妙な切れ味が魚を引き立てる。(宮坂静生)
2024年03月25日
菜の花のからし和え
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.25第一面より引用掲載させていただきました。
香の強き辛子で和(あ)えたる菜の花を肴(さかな)にすれば鼻にくる春 武田豊「抱える棘」

菜の花のからし和えが食卓に並ぶ季節である。子どもの頃あれは嫌いだった。無理して食べると、鼻にツンとくる。噛むに苦みが口いっぱいに広がる。大人はなんでこんなものが好きなんだろう、と不思議だった。
が、味覚というものは変わるのだ。大人になって食べると、あの辛みと苦みがなんともいい。私は下戸だが、日本酒のサカナにしたらきっとお酒がおいしく飲めるのだろう。そんなふうに想像したりする。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.03.25第一面より引用掲載させていただきました。
香の強き辛子で和(あ)えたる菜の花を肴(さかな)にすれば鼻にくる春 武田豊「抱える棘」

菜の花のからし和えが食卓に並ぶ季節である。子どもの頃あれは嫌いだった。無理して食べると、鼻にツンとくる。噛むに苦みが口いっぱいに広がる。大人はなんでこんなものが好きなんだろう、と不思議だった。
が、味覚というものは変わるのだ。大人になって食べると、あの辛みと苦みがなんともいい。私は下戸だが、日本酒のサカナにしたらきっとお酒がおいしく飲めるのだろう。そんなふうに想像したりする。(大辻隆弘)