2023年05月31日

梅雨の家

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.31第一面より引用掲載させていただきました。
足音をさせぬ男や梅雨の家   津高里永子『句解』(くどき)

 室内を歩くのに足音をさせない。私も祖母から子どもの頃、そんな躾(しつけ)を受けたことがある。大人になっていつか忘れてしまったが、掲句に詠まれた男は躾とはどこか違う。なにかに拘(こだわ)りがあるのか、神経質なのか。
 梅雨に入り空気がしっとりして物音を消してしまう静まり返った家。
 書斎で雨音に耳を傾ける漱石を連想した。あるいは弟子筋の内田百閒あたりか。幻想を楽しんでいる風情である。喧騒(けんそう)の現今、こんな男の存在に私はふと魅力を感じる。スマホやITからも遠い世界。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:41Comments(0)出来事

2023年05月30日

くちなしの花

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.30第一面より引用掲載させていただきました。
くちなしの白い花なりこんなにも深い白さは見たことがない  山崎方代『迦葉』

 歌謡曲にも歌われたように、クチナシの花は強い香りを放つ。雨の日、どこからかそれが漂ってくる。出所を探ってゆくとそこに白い花がある。雨にぬれたクチナシの白はさえざえとして清らかだ。
 放浪の歌人・山崎方代もそんな風にこの花を見つけ出したのかもしれない。「こんなにも深い白さはみたこともない」という言葉には、無垢で純白なものに対する畏怖のような感情が現れている。(大辻隆弘)
  


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2023年05月27日

苺(いちご)狩り

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.26第一面より引用掲載させていただきました。
苺狩り(いちごがり)勝ちつづけねばならぬ世よ   
       西澤日出樹『岳俳句鑑Ⅵ』


 作者は30代の気のやさしい青年。世間は固い鎧兜(よろいかぶと)をまとった感じ。簡単に打ち解けてくれない。
 自分に正直に、誠実に生きていることを気に掛け過ぎるのかな。自分に拘(こだわ)り過ぎるのかな。ちょっと引けて、人に静かに語りかける。
 人は一見、親切に対応してくれるが、言葉は刺さるし、本心は冷たく感じる。
 苺狩りは楽しい遊び。しかし、そこでも本心から楽しくない。負けられないと思ってしまう。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:45Comments(0)出来事

2023年05月23日

市民軟式野球・バレーボール大会

市民大会に島学区代表選手が健闘!
近江八幡市内各学区対抗で開催される、市民軟式野球大会とバレーボール大会(わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025開催応援)が、5月14日と21日に実施されました。島学区からは一部男子バレー、二部ソフトバレーに出場し健闘しましたが入賞はなりませんでした。
軟式野球の部は、21日に1回戦のみの試合で大会は運営され、島学区チームは、一部では八幡学区と対戦して7対7で引き分け。二部では武佐学区と対戦して3対1で逆転勝利をしました。











  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 09:19Comments(0)学区まちづくり協議会事業

2023年05月23日

落葉松(からまつ)

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.22第一面より引用掲載させていただきました。
新緑の落葉松(からまつ)はわがこころの木  
          根岸善雄『潺潺(せんせん)』


 落葉松の芽吹きの柔らかい感触はこころに沁みる。
 新緑は樹木により個性がある。山毛欅(ブナ)の堂々たる緑の貫禄。菩提樹の知的な葉の輝き。楢(なら)や櫟(クヌギ)のさわさわした身近な親しさ。プラタナスの葉の明るい透明感など。
 一日、信濃追分から千ヶ滝へ入り、三笠通りを横切り旧軽まで歩いた。落葉松の秋の紅葉の美しさはしばしば讃えられるが新緑の頃はどこか気が弱そうに見える青年の感じ。
 例えば、詩人立原道造のような。好きな人には無性にいい。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:49Comments(0)出来事

2023年05月19日

団扇(うちわ)巻き(唐招提寺)

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.19第一面より引用掲載させていただきました。
団扇撒(うちわまき)羽ある如く舞い下りぬ   福島米雄『唐招提寺まで』

 奈良の唐招提寺では5月19日に団扇撒きが行われる。
 鎌倉時代の中興の祖大事悲菩薩覚盛が蚊に血を与えるのも菩薩の道といわれた故事に由来する。上人の死後、蚊を殺さないで団扇で追い払うのも菩薩の心との考えからその徳を讃え団扇を奉納するようになった。
 当日は国宝鼓楼からハート型の宝扇が撒かれる。団扇は魔除けや安産のお守りなど平和のシンボル。いかにも鑑真和上の寺らしい。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:43Comments(0)出来事

2023年05月17日

風鈴

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.17第一面より引用掲載させていただきました。
風鈴や話し上手は聞き上手   仁平 勝『デルボーの人』

 暑いさなか風鈴のように話ができれば最高であろう。それには、聞き上手にならないと人の気持ちが読めないという。
 高浜虚子は聞き上手だったのではないか。まず話しやすいこと。聞きますよという雰囲気が身についていないと話し手は安心して話せない。 
 話し手が自分の意見を初めに言わない。しかし、考えはある。自分も考え中だという同じ地平にいることが話し手に安心感を与える。
 金子兜太は聞いた要点の捉まえ方が抜群に上手だった。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:32Comments(0)出来事

2023年05月16日

朴(ほお)の花

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.16第一面より引用掲載させていただきました。
朴(ほお)の花たかだかと咲くまひるまをみなかみにさびし高見の山は    前登志夫『霊異記』



 朴はモクレン科。春先に咲くモクレンの親戚である。が、その花はずっと大きく、花期も遅い。5月、ぽってりとし8枚の厚い花びらを風になびかせる。高い所に咲く朴はどこから見ても目立つ。
 今年もその花が咲いた。見上げると、花の背後に三角形をした高見山が見える。奈良と三重の境にある源流の山・高見山。吉野の山奥で林業に従事した前登志夫は、その孤高の姿に自分を重ねたのだ。(大辻隆弘
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:04Comments(0)出来事

2023年05月13日

ふくし・ふれあい研修会

5月13日(土)生きがい福祉部会の活動として「ふくし・ふれあい研修会」を開催しました。
今回の研修会は各町自治会長さん民生委員さん、ふれまち推進員・協力員のメンバーに集まっていただきました。
市社協より「誰もが安心して暮らしていくために、地域のみんなでできること」をテーマに島学区の現状と課題、福祉協力員の役割と、自治会、民生委員との連携について、見守り支えあいの活動についての説明がありました。その後、各町毎に分かれて、居場所づくりや、見守り体制づくり、福祉問題発見活動について話し合いを、チエックシートに基づいて、出来ることの話し合いをおこないました。
途中、休憩タイムを設け、コーヒーやお茶、おやつを食しながら、和気藹々の時間の中で進めることが出来ました。

大西増美学区社協会長の開会あいさつ
市社協より、講師&コーデネイター役の、村川君代さんと村北知詠子さん(ありがとうございました)

全体研修(今回は沖島町も含め、学区内全町からの参加で研修会が盛り上がりました)

沖島町の現状を話す小川さん(大中町と沖島町の合体グループ討議)

(北津田町はどうなの?うむ~ん・・・・難問解決糸口発見か?)

閉会のあいさつは北本浩子まち協副会長がおこないました「これからが大切です、それぞれが協力し合って問題解決に進みましょう!」

  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 14:13Comments(0)学区まちづくり協議会事業

2023年05月13日

鮎の宿

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.05.13第一面より引用掲載させていただきました。
川音の夜伽(よとぎ)めくなり鮎の宿   山本惠朗『みづほ』

 長良川の鵜飼開きが行なわれる。鮎の宿とは鮎釣りを楽しみながらの宿りである。若鮎を賞味しながらの一夜の泊まりでもいい。風格がある。
 一晩中、川音が聞こえ、添臥(そいぶし)のようだという。粋ではないか。
 鮎は香魚。姿美しく、魚特有の生臭さにも藻の香が混じる。喩えるならば流離(りゅうり)の匂いとでも言おうか。 
 私も話の種に鮎釣り名人につき、三回ほど鮎の友釣りを楽しんだ。深みへ深みへと竿を放ち、叱られた。名人は浅瀬で勝負する。鮎釣りのにがい思い出である。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 13:31Comments(0)出来事