2022年10月29日

干し柿の簾

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022,10,29第一面より引用掲載させていただきました。
柿すだれ一つ蟷螂(かまきり)遊ばせて    本田  巌『夕焼空』

 余分なことばがなく、場景に遊びがある。髙い軒から下がった柿すだれ。例えば天竜川沿いの市田柿の干し柿光景などの眺めは感動する。
 一本の竹の串に皮を剝いた渋柿5個、20串を一連として上から干し連ねる。40串が一重と呼ぶ(田中磐『しなの食物誌』)とある。
 そこに蟷螂がいる。どこか漫画。「伊那節を口ずさみたり稲の花」など句集に並ぶ句から、伊那谷を連想したのだが、作者は前橋市在住。
 「夜を啄(ついば)みて鼯鼠(むささび)の飛びにけり」は空っ風が近い上州の句。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:14Comments(0)出来事

2022年10月28日

寒気

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.28第一面より引用掲載させていただきました。
耳たぶに寒気の迫るあしたにて寒気にはありまことのひびき    寺島博子『ひすいの時間』

 朝、家を出るとき空気が冷たい。そんな季節になった。寒気は気温に敏感な人間の耳たぶを襲う。耳がしん、と痛くなると秋も深まったなあ、と思う。
 が、あの冷気はこことよい。からだがクッと引き締まるような感じがする。冷たさはストレートだ。そこには何のごまかしもない。寒気に触れた耳たぶは、その冷たさのなかに「まことのひびき」を聞くのだ。
 霜降(そうこう)もなかば。暦の上だけだがもう冬も近い。
                 (大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 07:35Comments(0)出来事

2022年10月27日

島ゴルフクラブチャリティコンペ

島ゴルフクラブ
チャリティコンペが開催されました。
10月26日、三宅寛穂理事長から辻太喜男まち協副会長へ募金が贈呈されました。



募金総額は、30,076円でした。
ありがとうございました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 10:10Comments(0)学区まちづくり協議会事業

2022年10月27日

しま寄席、未だ少し空席があります

島の秋まつり
「しまの寄席『弐人会』
島コミセンで11月6日開催します!


定員は50名です。
あともう少し空席があります。申し込みは直ぐに島コミセン32-2510までお電話してくださいね
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:22Comments(0)学区まちづくり協議会事業

2022年10月27日

鯉の口

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.27第一面より引用掲載させていただきました。
晩秋の行きつくところ鯉の口    安永一孝『牽牛花』

 冬近い明るい日、餌を求めてぱくぱくする鯉の唇に目がいった。
 句は「行きつくところ」が眼目。幾分の饒舌(じょうぜつ)な表現にさりげなく滲(にじ)む老いを感じる。作者も気になったのであろうが、上手に投げ出している。季節は晩秋。引き返すことはできない。その哀感をほんとうは捉えたかったもの。80歳半ば、同じ年代だけに晩秋が身に沁みる。
 「扇置く老いの気骨もここらまで」という句もある。「ここらまで」も同じ。無駄と知りながら、調子に乗った実感が捨てがたい。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:12Comments(0)出来事

2022年10月26日

おうどん

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.26第一面より引用掲載させていただきました。
「おうどん」の暖簾をくぐり現わるる人はみなほのぼのと空をみあがる   糸川雅子『ひかりの伽藍』

 温かいうどんが恋しい頃になった。一杯のうどんを食べ終えて、お腹をさすりながら店を出る。紐(ひも)の暖簾(のれん)を分けて視線を上に向けると、そこには澄んだ秋空がひろがっている。そんな食後の満ち足りた期分が伝わる歌だ。たしかにあのとき、私たちは誰もほのぼのとした気持ちになる。
 作者の糸川はうどんで有名な讃岐の歌人。「おうどん」という呼び方にも、この土地ならではの愛着が籠(こも)っている。
                   (大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:21Comments(0)出来事

2022年10月25日

夕日に照らされた紅葉

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.25第一面より引用掲載させていただきました。
この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉  三橋鷹女『魚の鰭(ひれ)』

 謡曲「紅葉狩」は平維茂(たいらのこれもち)が紅葉狩の場を背景に美女に変身した地の鬼神を倒す周知のドラマである。
 掲句の鬼女願望にも助成の秘めた永遠の魔性が捉えられている。夕日に照らされた鮮やかな紅葉の樹。この樹を征服したなら鬼女になるに違いない。美しさへの限りなき女性の情念こそ古くて新しい。句は「幻影は弓矢を負へり夕紅葉」と並ぶ昭和10年代初期の作。「新興俳句の新詩精神」のモダニズムが作者を刺激したものと川名大がいう。時代への抗(あらそ)いもあるか。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 13:41Comments(0)出来事

2022年10月25日

紅葉の中のレール

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.25第一面より引用掲載させていただきました。
この鉄路北へ北へと上がるなら深まる秋と知りてはいるが   小塩卓哉『たてがみ』

 レールが北の方に向かって深くカーブしている。このレールを伝って北へ向かったら、紅葉の色はそれにつれて深く濃くなってゆくだろう。胸のなかにそんなあこがれのような気持ちが広がってゆく。
 が、そのあこがれはあこがれのままだ。結句の「知りてはいるが」という言いさしの表現には深い断念がある。多忙な教職にある作者にはそんな旅をする余裕はない。あこがれはあこがれであるが故に美しいのだ。(大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:36Comments(0)出来事

2022年10月22日

茸狩(きのこがり)

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.22第一面より引用掲載させていただきました。
詩嚢(しのう)とふあやふやな荷や茸狩(きのこがり)     小林貴子『紅娘』

 中原中也忌である。若い日に中也の詩「サーカス」に惹かれた。「サーカス小屋は高い梁/そこに一つのブランコだ」。梁から下がるブランコに女性が逆さに乗り「ゆあーんゆよーんゆやゆよん」と揺れている表現に衝撃を受けたことがある。
 掲句の「詩嚢」は市人が詩を作る思いや感情を入れた袋を連想した。それは不安と好奇心のかたまり、あやふやな荷物みたいだという。
 どんな茸が採れるか。「ゆあーんゆよーんゆやゆよん」不思議な擬音。茸狩への着想が鋭い。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 09:08Comments(0)出来事

2022年10月21日

「封蠟」(ふうろう)

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.21第一面より引用掲載させていただきました。
手紙なら/書けただろうか/封蠟のような/釦(ボタン)をかけて思う    小林久美子『小さな径の画』

 古いフランス小説などを読んでいると「封蠟」というものがよくでてくる。便箋の後ろに蝋を置き、そこに鏝(こて)を押し当てて封をする、あれである。その蝋には自分だけの模様が刻印される。
 自分の服の釦(ボタン)を指でとめながら、作者は「あ、この釦、封蠟のようだ」と思ったのだろう。もし封蠟があるのなら、この気持ちをあの人に素直に書き送ることができたかもしれない。作者の空想はそんな風にひろがってゆく。(大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 15:20Comments(0)出来事