2021年11月30日
防災研修会
島学区総合防災訓練の一環として、防災研修会を11月28日(日)に開催しました。
今回は、「災害時における見守り支えあい図上訓練」と題して、市社協より講師(指導者)をお迎えして、各町自治会長さん、民生委員さんら総勢60名の参加で実施いたしました。



村北まち協会長の挨拶の後、市社協より八木さん、村川さんの指導により図上訓練ワークショップ方式でスタートしました。



島学区各町別にテーブルに分かれ、自治会ごとのマップを見ながら、地区の特性や、日頃の助け合い活動、災害時の想定、避難行動要支援者や普段から心配な世帯、気になる方はおられるか、問いかけに対して順番に、地図上に記入したり色シールを貼り付けたりしながら、図上訓練は進められていきました。




最後は各グループごとに、今後の取組みについて何が必要かを発表していただきました。今後自治会ごとに、今回の研修の経験を活かして、「図上訓練」を、開催してみてはどうか、という意見が多くありました。
今回は、「災害時における見守り支えあい図上訓練」と題して、市社協より講師(指導者)をお迎えして、各町自治会長さん、民生委員さんら総勢60名の参加で実施いたしました。



村北まち協会長の挨拶の後、市社協より八木さん、村川さんの指導により図上訓練ワークショップ方式でスタートしました。



島学区各町別にテーブルに分かれ、自治会ごとのマップを見ながら、地区の特性や、日頃の助け合い活動、災害時の想定、避難行動要支援者や普段から心配な世帯、気になる方はおられるか、問いかけに対して順番に、地図上に記入したり色シールを貼り付けたりしながら、図上訓練は進められていきました。




最後は各グループごとに、今後の取組みについて何が必要かを発表していただきました。今後自治会ごとに、今回の研修の経験を活かして、「図上訓練」を、開催してみてはどうか、という意見が多くありました。
2021年11月30日
酒は飲んでも飲まれるな1
舞台は浅草のどじょう屋。
フーテンの寅さんが、おいの満男を酒に誘い、悩みを聞いてあげている▼恋や学業がうまくいかない満男。慣れない日本酒を一気にあおり、むせ返る。寅さん、すかさずたしなめ、飲み方を手ほどきする。

「まず、片手に杯をもってお酒の匂いを嗅ぐ」。酒の匂いが鼻の芯に染み込んだ頃、おもむろに一口。「さぁ、お酒が入っていきますよ、と五臓六腑に教えましょう」▼とかく飲兵衛は、すきっ腹にきゅーっと一杯がたまらない。はやる気持ちを抑えるのが肝心。一口含んだら、付き出しなどを舌にちょこっと載せる。「それから、ちびり、ちびり。だんだん酒の酔いが体に染み通っていきます」。映画「男はつらいよ ぼくの伯父さん」の一場面である▼(中略)「一杯は人酒を飲み、二杯は酒酒を飲み、三杯は酒人を呑む」という。飲んでも飲まれぬように。ちびりちびりと寅さん流に。
※日本農業新聞2021.11.29第一面「四季」より引用させていただきました。
フーテンの寅さんが、おいの満男を酒に誘い、悩みを聞いてあげている▼恋や学業がうまくいかない満男。慣れない日本酒を一気にあおり、むせ返る。寅さん、すかさずたしなめ、飲み方を手ほどきする。

「まず、片手に杯をもってお酒の匂いを嗅ぐ」。酒の匂いが鼻の芯に染み込んだ頃、おもむろに一口。「さぁ、お酒が入っていきますよ、と五臓六腑に教えましょう」▼とかく飲兵衛は、すきっ腹にきゅーっと一杯がたまらない。はやる気持ちを抑えるのが肝心。一口含んだら、付き出しなどを舌にちょこっと載せる。「それから、ちびり、ちびり。だんだん酒の酔いが体に染み通っていきます」。映画「男はつらいよ ぼくの伯父さん」の一場面である▼(中略)「一杯は人酒を飲み、二杯は酒酒を飲み、三杯は酒人を呑む」という。飲んでも飲まれぬように。ちびりちびりと寅さん流に。
※日本農業新聞2021.11.29第一面「四季」より引用させていただきました。
2021年11月29日
石蕗(ツワブキ)
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.11.29第一面より引用させていただきました。
まなざしを持ちたるままに
石蕗の花もほとびて
冬に入りゆく 沢田麻佐子『レンズ雲』

つわぶきの花は晩秋細い茎の先に濃い黄色の花をつける。日陰に咲いていることが多い。薄暗い庭のものかげで、色合いの少ない晩秋の庭に花をつける。その姿は、確かに「まなざしを」持っているかのような感じがする。
あざやかに咲いていたちわぶきも、しだいに勢いを失ってほとびてゆく。その衰えた姿のなかに、作者は冬の訪れを感じたのだろう。十一月もあとわずか二日。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2021.11.29第一面より引用させていただきました。
まなざしを持ちたるままに
石蕗の花もほとびて
冬に入りゆく 沢田麻佐子『レンズ雲』

つわぶきの花は晩秋細い茎の先に濃い黄色の花をつける。日陰に咲いていることが多い。薄暗い庭のものかげで、色合いの少ない晩秋の庭に花をつける。その姿は、確かに「まなざしを」持っているかのような感じがする。
あざやかに咲いていたちわぶきも、しだいに勢いを失ってほとびてゆく。その衰えた姿のなかに、作者は冬の訪れを感じたのだろう。十一月もあとわずか二日。(大辻隆弘)
2021年11月27日
2021年11月27日
商い益々繁盛!
東京の近郊、深大寺の老舗そば屋の看板に「春夏冬二升五合」の文字

▼ことば遊びの謎解きはやぼだが、「春夏冬」で「秋ない=商い」・「二升」は枡(升)が二つで「ますます=益々」、「五合」は「半升」(はんじょう=繁盛)。つまり「商い益々繁盛」と相成る。江戸の商人は、この種の判じものが好きだったようで、遊び心を今に伝える▼「商い」の語源は「秋なふ」。「なふ」は「行う」。秋に採れた農産物の交換が、商売の始まりと聞けば得心がいく。コロナ禍が奪った「商い」のにぎわいが、少しずつ戻ってきた。でも「益々繁盛」には程遠い。ここに来て原油高、原材料高、円安のトリプルパンチ。年の瀬はかき入れ時だが、忘年会の気勢も上がらない▼(中略)知恵と工夫で難路を開く。泣き言を言っている暇があったら、まず動いてみる。したたかな商人の心意気がそこにあった。▼「商い」は「飽きない」にも通じる。店主の心が折れぬよう、春夏秋冬、買い支えたい。もっぱら酒量でしか貢献できないが。
※日本農業新聞2021.11.27第一面「四季」より引用させていただきました。

▼ことば遊びの謎解きはやぼだが、「春夏冬」で「秋ない=商い」・「二升」は枡(升)が二つで「ますます=益々」、「五合」は「半升」(はんじょう=繁盛)。つまり「商い益々繁盛」と相成る。江戸の商人は、この種の判じものが好きだったようで、遊び心を今に伝える▼「商い」の語源は「秋なふ」。「なふ」は「行う」。秋に採れた農産物の交換が、商売の始まりと聞けば得心がいく。コロナ禍が奪った「商い」のにぎわいが、少しずつ戻ってきた。でも「益々繁盛」には程遠い。ここに来て原油高、原材料高、円安のトリプルパンチ。年の瀬はかき入れ時だが、忘年会の気勢も上がらない▼(中略)知恵と工夫で難路を開く。泣き言を言っている暇があったら、まず動いてみる。したたかな商人の心意気がそこにあった。▼「商い」は「飽きない」にも通じる。店主の心が折れぬよう、春夏秋冬、買い支えたい。もっぱら酒量でしか貢献できないが。
※日本農業新聞2021.11.27第一面「四季」より引用させていただきました。
2021年11月27日
蜜柑(みかん)
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.11.26第一面より引用させていただきました。
快哉のやうに蜜柑の盛られたる一処に
この世の光がとどく
温井松代『起伏』

卓上にミカンがうずたかく積まれている。ミカンの色はあざやかだ。沈んだ色彩の初冬の屋のなかでその一画だけが光にあふれているように見える。しずかでひややかな空間のなかで、その一カ所だけが、生き生きと躍動しているように見える。作者はそこに「この世の光」を感じとったのだ。
初句の「快哉」とは愉快であること。ミカンのあの色はまさに喜びに満ち溢れているかのようでもある。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2021.11.26第一面より引用させていただきました。
快哉のやうに蜜柑の盛られたる一処に
この世の光がとどく
温井松代『起伏』

卓上にミカンがうずたかく積まれている。ミカンの色はあざやかだ。沈んだ色彩の初冬の屋のなかでその一画だけが光にあふれているように見える。しずかでひややかな空間のなかで、その一カ所だけが、生き生きと躍動しているように見える。作者はそこに「この世の光」を感じとったのだ。
初句の「快哉」とは愉快であること。ミカンのあの色はまさに喜びに満ち溢れているかのようでもある。(大辻隆弘)
2021年11月24日
「ほな、さいなら」
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.11.24第一面より引用させていただきました。
「ほな、さいなら」と閉店の辞はさりげなくもう見当たらず
ふぐ提灯は 桂保子『春は樹木語』

フグがおいしい季節になった。卓を囲みながら「てっちり」とか「てっさ」を食べたいなぁ、と思う。が、コロナ禍はそんなささやかな初冬の喜びも奪ってしまったらしい。
この歌は大阪のフグ料理の老舗「づぼらや」がコロナ禍によって閉店した時の歌。フグをかたどった大きな提灯がトレードマークの店だった。店頭に張り出された「ほな、さいなら」という閉店の辞に大阪らしい飄逸(じょういつ)の味あり。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2021.11.24第一面より引用させていただきました。
「ほな、さいなら」と閉店の辞はさりげなくもう見当たらず
ふぐ提灯は 桂保子『春は樹木語』

フグがおいしい季節になった。卓を囲みながら「てっちり」とか「てっさ」を食べたいなぁ、と思う。が、コロナ禍はそんなささやかな初冬の喜びも奪ってしまったらしい。
この歌は大阪のフグ料理の老舗「づぼらや」がコロナ禍によって閉店した時の歌。フグをかたどった大きな提灯がトレードマークの店だった。店頭に張り出された「ほな、さいなら」という閉店の辞に大阪らしい飄逸(じょういつ)の味あり。(大辻隆弘)
2021年11月23日
蕪蒸し
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.11.23第一面より引用させていただきました。
深ぶかと裏山はあり蕪蒸
大澤保子『巴旦杏』

東京本所に生まれ、盛岡在住が長い作者。裏山への信頼し切った思いは年配の作者ならば、ここが墳墓の地という郷土意識に繋がる。
寒くなり出した時期の盛岡の蕪蒸は絶品であろう。三陸の海の新鮮な魚と南部の地の蕪の組み合わせがいい。私も一度遠野で食べた蕪蒸のこくが忘れ難い。子規は大阪の水落露石から天王寺蕪を蕪村忌に送って貰い風呂吹くと蕪蒸を食べるのが例になっていた。蕪蒸は地貌の食べ物。郷土への愛情が浸透している。 (宮坂静生)
※日本農業新聞2021.11.23第一面より引用させていただきました。
深ぶかと裏山はあり蕪蒸
大澤保子『巴旦杏』

東京本所に生まれ、盛岡在住が長い作者。裏山への信頼し切った思いは年配の作者ならば、ここが墳墓の地という郷土意識に繋がる。
寒くなり出した時期の盛岡の蕪蒸は絶品であろう。三陸の海の新鮮な魚と南部の地の蕪の組み合わせがいい。私も一度遠野で食べた蕪蒸のこくが忘れ難い。子規は大阪の水落露石から天王寺蕪を蕪村忌に送って貰い風呂吹くと蕪蒸を食べるのが例になっていた。蕪蒸は地貌の食べ物。郷土への愛情が浸透している。 (宮坂静生)
2021年11月22日
牛乳パック
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.11.22第一面より引用させていただきました。
牛乳パックすっと手のひらすり抜けてすり抜けきって床まで落ちる
佐藤理江『最初ギリッとふたを開け』

冷蔵庫の扉をあけて、牛乳パックを食卓に運ぶ、結構重い。その重さで、手のひらが滑り、パックが下に落ち始める。アッと思って指に力を入れても、もう遅い。パックは手のひらをすり抜け、すり抜け切って、空中を落下する。そして次の瞬間、床に当たって、床を真っ白に染めるのだ。
まるでスローモーションフイルムを見るように落下の過程を追跡した一首。 (大辻隆弘)
※日本農業新聞2021.11.22第一面より引用させていただきました。
牛乳パックすっと手のひらすり抜けてすり抜けきって床まで落ちる
佐藤理江『最初ギリッとふたを開け』

冷蔵庫の扉をあけて、牛乳パックを食卓に運ぶ、結構重い。その重さで、手のひらが滑り、パックが下に落ち始める。アッと思って指に力を入れても、もう遅い。パックは手のひらをすり抜け、すり抜け切って、空中を落下する。そして次の瞬間、床に当たって、床を真っ白に染めるのだ。
まるでスローモーションフイルムを見るように落下の過程を追跡した一首。 (大辻隆弘)
2021年11月20日
毛皮店
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.11.20第一面より引用させていただきました。
毛皮店鏡の裏に毛皮なし
中村汀女『汀女句集』

斬新な句である。毛皮のオーバーでも試着するために鏡の前に立った。鏡には奥行きがある。ふと、鏡の裏にも毛皮が吊るしてある錯覚を覚え、密かに裏に廻ってみる。
壁に飾られた額縁の油絵を見て、この額の景色の裏側にはどんな世界が秘密に隠されているのだろうといくたびも裏側を覗いてみたと荻原朔太郎が小説『猫町』に書いてある。
毛皮が欲しい気持ちの昂ぶりを鏡に見透かされた焦りがある。女心の切なさも滲む。(宮坂静生)
※日本農業新聞2021.11.20第一面より引用させていただきました。
毛皮店鏡の裏に毛皮なし
中村汀女『汀女句集』

斬新な句である。毛皮のオーバーでも試着するために鏡の前に立った。鏡には奥行きがある。ふと、鏡の裏にも毛皮が吊るしてある錯覚を覚え、密かに裏に廻ってみる。
壁に飾られた額縁の油絵を見て、この額の景色の裏側にはどんな世界が秘密に隠されているのだろうといくたびも裏側を覗いてみたと荻原朔太郎が小説『猫町』に書いてある。
毛皮が欲しい気持ちの昂ぶりを鏡に見透かされた焦りがある。女心の切なさも滲む。(宮坂静生)