2023年03月14日

ぬかるみ

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.03.14第一面より引用掲載させていただきました。
ぬかるみに足をとられて抜きがたく明日の予定も立たぬ春空    
久木一直『月に吠え夜の帳(とばり)を引くキツネ』


 春泥という季語がある。美しい言葉だが実際はやっかいだ。冬の間固く凍っていた土が、春の雨に濡れて泥になる。火山灰が降り積もった関東ローム層などでは足元がドロドロになって歩きにくい。
 作者も春の泥に足をとられたのだろう。靴がぬかるみにズブズブ沈んでゆく。なすすべもなく作者は空を仰ぐどんよりとどんよりと春の曇りが広がっている。早春のちょっとした絶望感。(大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:54Comments(0)出来事