2021年08月29日

人間はミスをする生き物

「人間はミスをする生き物」
「同時に言い訳をする生き物でもある」
▼あってはならないが孫文に訂正はつきもの。問題は誤りにどう対処するか。以前、先輩デスクが取材先にわびに行った。「なぜこんな記事を載せた」「確認不足で申し訳ない」。先方の怒りは収まらず「取り消せ」の一点張り。ひたすら謝っていたデスク、耐えかねて言い返した。「時計を巻き戻せるんだったら、そうしますよ」。さらに炎上したのは言うまでもない。
▼自己啓発書『思考は現実化する』は、54の言い訳を載せる。金やコネがあったなら、いい学校を出て、いい仕事に就けていたら、人並みの能力があれば、上司が正しく評価してくれたなら・・・・。「大都会に住んでいたら」もあるが、いまや田園回帰の時代。「もっといい人と結婚していたら」。ノーコメント



▼こちらはネットにあった遅刻学生の言い訳。「風が強すぎて進めませんでした」「自転車に乗り遅れました」「授業中寝たら怒られるから家で寝てきました」。会社では通用しない。まして国会審議や平和式典では▼新学期が延びても宿題はなくならない。
文豪志賀直哉の原稿遅延の言い訳はこうだ。「どうしてもペンを握る気分にならず」。同感だがまねをしないように。
※日本農業新聞2021.08.29第一面『四季」より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:20Comments(0)出来事

2021年08月28日

「天国と地獄」

「天国と地獄の長い箸」
「天国と地獄の長い箸」という寓話をご存じだろうか。
▼極楽と地獄の食堂は、どちらも満席でテーブルにはご馳走が並ぶ。食べる時は共にとても長い箸を使うのが決まり。地獄では、長い箸が邪魔で口に運べず、隣を突くなどケンカが耐えない。一方、極楽は和やかに食事を楽しんでいる。よく見ると、みんな長い箸を使い向かいの人の口に運んであげている▼

▼この話を紹介した著述家・戸田智宏さんの著書によれば、「人間は一人では生きていけない」ことを教える。社会問題の多くは、奪い合いから起き、自分さえ、自分の国さえ良ければいい、との考えが根底にあるという。「奪い合うから足りなくなり、分け合えれば余るのである」と戸田さん▼典型的なのは食料。いまなら新型コロナワクチン。富める先進国の3回目の接種にWHOが待ったをかけた。「ライフジャケットを既に持っている人にもう1枚渡して、持ってない人を溺れさせる」と。これ以上、接種格差を広げないため、9月末まで3回目の一時停止を呼びかけたのだ▼医療崩壊にひんしている我が国の内情も深刻だが、せめて他者に思いを致す「長い箸」を持ちたい。「人間は一人では生きていけない」ことを突き付けるコロナの日々である。
※日本農業新聞2021.08.28第1面「四季」より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 10:18Comments(0)出来事

2021年08月27日

見ざる、聞かざる、言わざるの三猿

見ざる、聞かざる、言わざる・・・・・・の三猿は、賢い猿なのだそうだ。
「不見・不聞・不言」という天台宗の教えが基にあり、悪いことから実を遠ざけるように私たちに教え諭している。
猿には、厄を去るという願いもあるという▼本来の三猿のいわれと逆を行くのが、新型コロナの対策を取り仕切るべき偉い人たち。医療が逼迫して国民の命や暮らしがどんなに大変になっても、現実を見ざる、専門家の意見を聞かざる、質問には用意された答弁以外言わざる。対策は後手後手でいっこうに厄いが去ってくれる気配がない▼

▼三猿といえば、左甚五郎作とされる日光東照宮の彫刻が有名。「男はつらいよ」の寅さんの啖呵売(たんかばい)に「日光結構東照宮 憎まれ小僧が世にはあばかる」というのがあるが、困った人たちが本当に幅を利かせている▼
▼今日は「男はつらいよ」の日。シリーズ第1作目1969年8月27日に公開された。第50作まで続き、長く愛されたのは、どの作品にも、額に汗する庶民への温かいまなざしが感じられるからだろう▼「お天道様が見ているぜ」という寅さんのセリフも優しい。真面目に生きていれば、いつか報われるはずだよ・・・・。その言葉をうそにしない、まっとうな世の中になってほしい。
※日本農業新聞2021.08.27第一面「四季」より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 10:48Comments(0)出来事

2021年08月27日

緊急事態宣言発布を受けて本市の対応は

「緊急事態宣言の発令!」
昨夜政府において決定されました滋賀県の緊急事態宣言につきまして、本日滋賀県での本部員会議の後、市で対策本部会議が開催され、緊急事態宣言の27日~9月12日の期間中は、コミュニティセンターにおける一般市民等への貸館の中止、まち協主催の事業(イベント等)は延期または休止することになりました。




まち協での今後の必要な会議等ついてはまち協で判断していきます。なお、各種団体等で会議等を開催される場合は十分な感染対策を取っていただくようお願いします。

各学地域住民や自治会からの問い合せにつきましても、事業開催の必要性を判断して、延期または休止を勧めさせていただきますので、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

期間につきましては、今後の感染状況等により延長される場合がありますので都度情報提供させていただきます。
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 10:28Comments(0)学区まちづくり協議会事業

2021年08月26日

科学の発達と地球温暖化

暑い日が、まだ続きそうだ。料理で夏バテを乗り切ろうと、暮らし面での和のスパイスを紹介していた。
▼サンショウに健胃効果があるとは、記事で知った。近所でサンショウの実を売っていたのでちりめんさんしょうを作ったが、鼻に抜ける爽やかな香りは、確かに胃が疲れた時にも食欲を増してくれそうだ▼
▼両生類のサンショウウオは一説に、身体からサンショウに似た臭いを出すのでその名が付いた。のっそり動くユーモラスな生き物だが、人間を襲う恐ろしい小説もある。チェコの作家チャペックが書いた『山椒魚戦争』。言葉を理解し、道具を使うサンショウウオの群れを見つけた人間が、真珠採取のビジネスに利用する。サンショウウオはやがて高度な文明を持ち、人間に戦争を仕掛ける。

▼チャペックは「ロボット」という言葉を造語したことでも知られる。人間に仕えていたロボットが反乱を起こす戯曲を、100年前に書いた。人間が利用していたものに、人間が滅ぼされる。人間の愚かさを冷徹に取り上げた▼科学は発達し、化石燃料を大量に燃やし続けた結果、地球の気温は上昇し、人間の生存を脅かす大きな問題になっている。暑さを抑える行動を起こせるか、人間の賢さが問われている。
※日本農業新聞2021.08.26第一面「四季」欄より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 13:43Comments(0)出来事

2021年08月25日

「罪と罰」

「全世界が、ある、怖ろしい、見たことも聞いたこともない疫病の生贄(いけにえ)になる運命にあった」(亀山郁夫訳)。
▼新型コロナに恐れおののく世界を見通したようだ▼
ドストエフスキーの『罪と罰』の終章で主人公は、犯した罪に向き合い、悪夢にうなされる。
▼疫病を引き起こす微生物に取り付かれると、人は自分こそ正義と思い込み、他人と争う。その微生物は人の心を侵食し続ける▼ロシア文学者の江川卓氏は、神に代わって微生物を、人類委に終末をもたらす究極原因に押し上げたと指摘する。
『謎解き「罪と罰」』(新潮選書)の解説をいま読み返した。神への畏れは薄れ、ウイルスが恐ろしい存在になった▼コロナが医学的に怖いのはもちろんだが、社会の闇を大きくしたところに、もう一つの怖さがある。明治大学の小田切徳美教授は「様々な局面で分断が進んでいる」と憂慮した。所得格差は広がり、自分の偏った正義を振りかざす「自粛警察」もやまない▼

▼小説の主人公は、自らの傲慢さが引き起こした罪と罰を受け入れ、復活へ歩み出した。自分は絶対正しいという病がこの国の、特に中枢にはびこっていないか。その思い込みが改まらないことには、コロナの終息は見えない。
※日本農業新聞第一面「四季」より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 09:52Comments(0)出来事

2021年08月24日

秋雨前線

「雨の今日処夏と覚えてけだるしや」(宮津昭彦)
今日(8月23日)は二十四節季の処夏。こんな日の雨は、夏の疲れもあり、気分が優れないという俳句なのだろう▼秋雨は秋霖(しゅうりん)とも呼ぶ。漢和辞典を引くと「霖」には長雨の意味があるとか。確かに、先週から日本列島の広範囲で降り続いた雨は、長かった。長いだけではなく、気だるいというような、情緒的な降り方でもなかった。これまでの秋雨のイメージが変わるぐらいに激しかった。その後も不安定な天候が続いた▼

▼「数十年に一度」「これまで経験したことのない」「観測史上初めての・・・・」などの表現を、何度も聞くようになった。日本の伝統的な風土や情緒が壊されていくようだ。温暖化対策は待ったなしなのに、進んでいるだろうか▼処夏は英語で「ストッピング・ザ・ヒート」(石原幸男著)『歴はエレガントな科学』)と表現するそうだ。熱が止まっていく、止めていくといった意味か。地球の熱を止める行動を始めるには、いい契機に思える。
※日本農業新聞2021.08.23第一面「四季」欄より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 14:15Comments(0)出来事

2021年08月22日

足りぬ足りぬは・・・

「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」
戦時中にお上が触れ回った標語である。資源小国の日本が戦争を始めれば物が不足するのは明らか。
それを工夫で乗り切れとおっしゃる。

▼反発した庶民がこっそり「工」の字を消した。夫を戦地に連れ去ったお上を皮肉り、標語を笑いに変えた。

災害レベル、制御不能、爆発・・・・・。新型コロナの広がりを表す言葉には、戦争のような危機感が漂う。戦中に似た「足りぬ」も起きている▼感染防止の都市封鎖や移動制限で、物資の製造・流通が世界的に停滞している。現場での”足りぬ”の実態はどうなのか、お上は気をもんでいる。

▼石油や石炭に代わり、木質バイオマスの利用は増加傾向に。環境に優しい農業資材として木炭にも期待が高まり、木材不足が起きている。国内でも影響が現れてきた。

▼森林をみんなで利用すれば村人が楽になると考えたのは、78年前に亡くなった島崎藤村。
『夜明け前』の中で、お上が伐採を支配する木曽の森を題材にした。
庶民の”足りぬ”が補えないのは、お上の工夫が、「足りぬ」ということだ。
※日本農業新聞2021.08.22第一面「四季」欄より引用させていただきました。
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 09:34Comments(0)出来事

2021年08月21日

楽して稼ぐな

農民が畑で働いていると、ウサギが偶然に木の切り株にぶつかって死んでしまう。労せず獲物が手に入った
▼味を占めた農民は、またウサギがぶつからないかと鋤も捨てて見守る。が、いつまで待ってもやってこない。しまいには、作物も穫れず、国中の笑い者になる。韓非子「守株」という寓話(ぐうわ)である。いつまでも、古い習慣にこだわり、進歩がないことをいさめた▼日本では、北原白秋が作詞し、山田耕筰が局を付けた童謡で広く知られた。

♪♪待ちぼうけ、待ちぼうけ。ある日、せっせと、野良かせぎ、そこへ兎(うさぎ)が飛んで出て、ころり、ころげた、木の根っこ。「楽して稼ぐな」との教えを含む。議会制民主主義の発展のためにも、教訓とすべきは政治である▼「政治とカネ」問題や、コロナ感染拡大と東京五輪対応のまずさで、管政権の支持率は低迷。政権維持に黄信号がともった。にもかかわらず、自民党の総裁選は盛り上がらず、野党からも政権奪取へ大同団結の気迫が伝わってこない。このまま待っていれば政権が転がり込むと、「守株」に似た姿勢にもみえる▼政権選択の衆院選までわずか、地球環境やコロナで世界が大きく変わろうとしている時に、「待ちぼうけ」では、先が思いやられる。
※日本農業新聞2021.08.21第一面「四季」より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:02Comments(0)出来事

2021年08月20日

世の中の不幸とは

世の中の不幸は順序立ってやってくるわけでない。
徒然草にある。

「生老病死の移り来たる事又これに過ぎたり・・・死期(しご)は序(ついで)をまたず」。

生老病死がめぐってくるのは四季の変化より早く、死は順序を待たないと。現代の人にも響く感じ方かもしれない▼災害からの復興途上に有り、わずかひと月あまり前には、大統領が暗殺され、政情不安が高まったばかりの島国。カリブ海のハイチが先週また大きな地震に見舞われた。疲れ切ったこの国に、なぜ不幸が次々めぐってくるのか。そんな声が聞こえそうな惨状が伝えられている▼

▼コロナ禍とアフガニスタンの混乱に世界の多くの感心が向いている中、死者は2千人を超えた。崩れた建物の下に多くの人がいると伝えられて、長い時間が過ぎる。被害はさらに大きくなりそうである▼2010年の地震では31万人以上が亡くなったとされ、復興はまだ遠いという。現在の情勢不安が招いた治安の悪化は、地震の救援の脅威になるともいわれる▼さらに不幸な辞退にもなった。新たな災害、熱帯暴風雨までも到来している。水害が起きて、不明者の捜索や家を失った人の生活にも影響が出た▼父がハイチ出身のテニス選手大阪なおみさんは、賞金を救済に寄付すると表明している。日本からの緊急援助も始まったそうだ。
同じく、順序を待たずに災害がやってくる国からの支援になる。
※中日新聞2021.08.20第一面コラム「中日春秋」より引用させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:44Comments(0)出来事