2025年04月03日

夜桜

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.04.03第一面より引用掲載させていただきました。
『夜桜を彼の世のひととみていたり』   長井寛「十七会」

 夜桜が醸す妖気はこの世あの世の境を越えたもの。
 〈夜桜や花の魑魅(すだま)に逢はむとて〉(大石悦子)という句がある。
 夜桜には被此(ひし)の間を魑魅が行き来する。夜桜をあの世から彼の世のひとが見つめる。夜桜をこの世から此の世の人が見る。これは魑魅の手引きであろう。同じ夜桜を見つめながら、桜にいつかうっとりと溶けあっている。六十代の頃はこんな気分ではなかった。コロナ蔓延を境に不安な気分が、かえって、夜桜を見ると身に迫るのである。(宮坂静生)
  


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2025年04月02日

四月初旬

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.04.02第一面より引用掲載させていただきました。
みひらけどみえぬさくらよちりゆけば息つまるまでけはひみつるを   小原奈実『声影記』

 あちらこちらから桜の便りが聞こえるようになった。忙しくて花見にもいけない。が、心のなかで桜を想像するだけで陶然とした気分になってくる。
 若い作者のこの歌もそう。目を開いても桜の姿は見えない。が、花の噂を聞くや否や、心のなかは桜の冷え冷えとした気配でいっぱいになる。息が詰まって苦しくなるほどだ。
 そんあ気分が続く四月初旬。(大辻隆弘)
  


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2025年03月15日

鰹船

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.15第一面より引用掲載させていただきました。
鰹船発(た)つ太き艫綱(ともづな)今外し  大林文鳥『幡多(はた)の風』

 句集名の幡多は土佐西部、四万十川が黒潮満ちる土佐湾にそそぐ地。そこに小さな土佐佐賀漁港がある。自慢は鰹漁。一本釣鰹船が盛んで作者によると、鰹の水揚げ高ではここ十年ほど日本一を記録するという。
 回遊魚の鰹が黒潮に乗り太平洋沿岸部に接近する春は、港から、鹿児島沖や小笠原沖へ出漁する。
 それが「鰹船発つ」。溌剌たる土佐の春野地貌季語に感激する。鰹船は鰹とともに北上し、東北沖まで漁を続け、夏を迎える。秋には戻り鰹となり南下する。(宮坂静生)
  


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2025年03月14日

定年退職

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.14第一面より引用掲載させていただきました。
これからは呼ばれぬ夫の役職の名前をとても気に入っていた    篠田理恵『記憶の接点』

 年度末、定年退職の季節でもある。長年、公務員として働いてきた作者の夫にも、退職の朝がやってきた。
 それは作者にとって、夫の役職名から解放される日でもある。「○○長の奥さん」とは、もう呼ばれなくなってしまうのだ。気軽にはなる。が、ちょっとだけ残念。
 そんな気持ちを作者は素直に言葉にしている。退職は配偶者にとっても、人生の転機なのだ。(大辻隆弘)
  


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2025年03月13日

韮(ニラ)

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.13第一面より引用掲載させていただきました。
切り口のざくざく増えて韮(ニラ)にほふ   津川絵理子『はじまりの樹』

 韮は古く「茎韮」といった。万葉集東歌に女二人の春野の韮摘み掛け合い歌がある。粋な歌だ。
 「摘んでも摘んでも籠に増えないわ」。「いい人と摘めば・・・・・・」。
 中華料理に欠かせない韮は中国原産。掲句も餃子でも作るために俎(まないた)で韮を切っている。こちらは細い茎の韮が切られ、増えるは増えるは。
 作者は東歌を承知であったか。どこか庶民的。東歌風なのが面白い。
 私事ながら、長い間餃子は苦手。最近ようやく韮の隠し味の魅力がわかるようになった。(宮坂静生)
  


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2025年03月12日

北へ帰る雁と鴨

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.12第一面より引用掲載させていただきました。
街川に飛沫(ひまつ)散らして羽ばたける雁の群れなり北に帰らむ   青木陽子『転生』

 雁は渡り鳥。晩秋、北から隊列を組んでやってきて、春また北へ帰ってゆく。俳句に「雁帰る」という季語もある。
 ひと冬を日本で過ごした鴨も、そろそろ北へ帰るべき時を迎えた。数ヶ月、美しい羽根の色を愛でながら、観察してきた鴨たちも旅立ちの日は近い。
 そう思うと、街の真ん中を流れる川で、戯れている姿が、なんとなく切なく見つめられてしまう。(大辻隆弘)
  


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2025年03月11日

東日本大震災

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.11第一面より引用掲載させていただきました。
春北斗つらなり眠る死者生者       『長友厳俳句集成』

 東日本大震災から14年が経つ。忘れ難い体験は人生観を変えた。
 柳田邦男の「『死後生』を生きる」(文藝春秋)が好評だ。人生は死で終わらない。肉体は消えても生前の愛や思いは語り継がれる。そればかりではない。
 度重なる震災や災害による、元気であった者の突然の死はこの世そのものの在り方を変える。
 この世は現存者と死者とがともに語り合い、よりよい生き方を模索しているのではないか。春の北斗星が見下ろしている。(宮坂静生)
  


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2025年03月08日

自由

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.08第一面より引用掲載させていただきました。
護美箱(ごみばこ)に余った名刺を三十枚捨てて広がる自由な時間   田中徹尾『和(にこ)の青空』

 三月は人事異動の季節。長年勤めた職場を退く人も多い。 
 再雇用で勤めた職場も年度末で終わり。今まで使っていた役職名の入った名刺も、もういらない。手もとに残った未使用の名刺三十枚を、一枚一枚ゴミ箱に捨てる。
 二度目の退職だから初回の時のような感慨はない。が、明日からは名刺を持たない日が始まる。それは久方ぶりに手にする真の「自由」なのだ。(大辻隆弘)
  


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2025年03月05日

啓蟄

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.05第一面より引用掲載させていただきました。
くもりのち雨啓蟄の半身浴    好井由江『今日の日』

 啓蟄を迎えた。地中から虫が穴を出る季節である。春先は芽吹きの雨が降る。肌寒いがようやく春を迎えた歓びから、半身浴をやろうと宵の口に湯を沸かし、浴室を温めた。
 疲れを取り、リラックスしたい。体をスリムにする美容法でもある。
 38度くらいの温めの湯にみぞおちから下を湯船に入れ、30分。
 瞑想の時間だ。あるいは湯に入れた小さな椅子に腰を掛け、風呂で読む俳句の本を開く。どっぷり浸かる入浴ではなく、こんな一時も乙ではないか。(宮坂静生)
  


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2025年03月05日

回想法

「回想法」で地域と高齢者を元気に!
3月1日大中町でふれあいサロンで実施しました。
回想法は脳の活性化に最適です




「回想法」とは、昔使用した生活用具や、写真、食べ物、子どもの頃の遊び、農具、方言等など、忘れがちな思い出を、再びみんなで思い出し話し合うことです。脳の奥に仕舞い込んでいた、かつての輝かしい記憶を呼び戻し、脳の活性化、即ち「生きる歓び」を共有することなんです。
この日も、多くの参加者が「これ何やったかな?」「そうそう、あの時使ってたやん」「懐かしい~な」等など、にぎやかにお話いただきました。
  


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