2022年08月05日

治水の王

「水を制する者は
       天下を制する」

▼人の歴史は見ずとの闘いでもある▼黄河治水の始祖といわれ、夏の国の帝位に就いた禹(う)は築堤、分水、しゅんせつの組み合わせに治水の成否が懸かっていると考えた。それは現在も「治水の要諦」(高橋裕著)『河川工学』東京大学出版会)である。洪水から農業や住民を守らないと国は安定しない▼

日本でも治水に力を入れた名将は多い。武田信玄は甲府盆地を流れる釜無川流域に「信玄堤」の治水のシステムを構築。熊本の加藤清正は、領内四大河川を水に逆らわずなだめるやり方で水を治め、穀倉地帯をつくり上げた。今は、地球温暖化による経験したことのない豪雨が襲う▼日本三大急流の一つで、山形県を流れる最上川が氾濫した。線状降水帯を伴う豪雨に見舞われた。真夜中の豪雨に住民の心細さはいかほどだったことか。同県出身の作家藤沢周平さんの秀作『蝉しぐれ』に出てくる、増水した川の土手を切って水を逃す農民らの決死の場面が目に浮かぶ。新潟県などでも河川が氾濫した。不明者の安否が気になる。農作物は。いつもは穏やかな河が急に表情を変える恐ろしさ▼〈五月雨を集めて早し最上川〉。初案の「涼し」を「早し」に変えたのは、芭蕉の洞察力である。
※日本農業新聞2022.08.05第一面「四季」より引用掲載させていただきました。  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 08:07Comments(0)

2022年08月05日

放屁

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.08.05第一面より引用掲載させていただきました。
炎天や十一歩中放屁(ほうひ)七つ    永田耕衣『物資』

 「俳句を作(な)す者は俳人に非(あら)ず、マルマル人間なり」。97歳で世を去るまで、奇人耕衣の人間探求はますます盛ん。上記の俳句信条に加え、「卑俗性を尊重すべし」といい、脱糞放尿を掲げる。名高い平賀源内の『放尿論』に「その音に三等あり」。プツは丸く上品、プウは歪つ中品、スーは平たく下品とか。
 掲句は炎天下、11歩の間に放屁7つとは、さしずめ上品を始め終わりに1つずつ。間は2歩に1つ宛て。すると、まさに、俳句のリズムに当てるではないか。(宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 07:34Comments(0)出来事