2023年06月14日

年老いた父が眠りから覚める

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.06.14第一面より引用掲載させていただきました。
たましひに着る服なくて醒めぎはに父は怯(おび)えぬ梅雨寒のいへ   
米川千嘉子『たましひに着る服なくて』


 しとしとと雨が降り続く日々。家のなかにいると、冷え冷えと湿気が迫ってくる。肌にまとわりつくような寒さだ。
 そんななか年老いた父が苦しげに眠りから覚める。若い頃のようにすっきりと目が覚めるわけではない。老いの眠りは浅い。その浅瀬から脚を引き抜くように父は目覚めてくれる。そこに壮健だった若き日の面影はない。魂に着せる服などはない。むき出しになった父の魂。(大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 07:57Comments(0)出来事