2023年09月20日

秋彼岸

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.09.20第一面より引用掲載させていただきました。
ひとごゑのさざなみめける
  秋彼岸
   森澄雄『空艪』

 秋の彼岸入りを迎えた。墓参りの墓地に散らばる人々の声を耳にした実感を心地よく表現したものか。
 暑さも収まり気持ちよくなった。夏の間のとげとげした苛立(いらだ)ちも消えた。素直な作者である。それだけではない。雰囲気の捉まえ方に独特の感性が働いている。
 人間対自然という論理的に分析して考えるのとは違う。人間も自然も抱含した造化という大きな考えへの憧れがある。身を任せるのである。
 人の世の習わし、秋彼岸への優しい眼差しがある。
                   (宮坂静生)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 07:56Comments(0)出来事

2023年09月20日

夕顔

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.09.19第一面より引用掲載させていただきました。
夕顔の棚つくらんと思へども秋待ちがてぬ我がいのちかも   正岡子規『子規歌集』

 今日は糸瓜(へちま)忌。正岡子規の忌日である。近代日本の詩歌の改革に邁進した彼は、1902年の今日、35年の生涯を閉じた。
 この歌は死の前年の春に作られた歌。夕顔の棚を作ろうと思うけれど秋までは永らえることのできない命であるよ・・・。彼はそう嘆いた。
 が、子規は、それから1年5ヶ月、生きながらえ、2度秋を迎えることができた。人生最後の秋を彼はどんな目で見たのだろう。(大辻隆弘)
  


Posted by ゴンザレスこと大西實 at 07:40Comments(0)出来事