2024年10月20日
2024年10月20日
10月20日の記事
島学区各町ふれあいサロンで「地域回想法」を展開!
10月19日土曜日北津田町のふれあいサロンで実施しました!
地域回想法とは、昔の生活の思い出などを通じて誰もが気軽に身近な地域で、社会資源を大いに活用し、人の絆を育み地域のネットワークを広げ、いきいきとした「まちづくり」に貢献する活動です。人生を肯定的に振り返り、健やかで豊かな人生を歩みつづけることをうながし、世代間交流などを通じて、地域のもつ力を引き出し高めていく活動でもあります。
当日は、参加者がこれまで経験した思い出の数々を話し合い、終始和やかに話され、笑いの渦が各テーブルで巻き起こっていました。
10月19日土曜日北津田町のふれあいサロンで実施しました!
地域回想法とは、昔の生活の思い出などを通じて誰もが気軽に身近な地域で、社会資源を大いに活用し、人の絆を育み地域のネットワークを広げ、いきいきとした「まちづくり」に貢献する活動です。人生を肯定的に振り返り、健やかで豊かな人生を歩みつづけることをうながし、世代間交流などを通じて、地域のもつ力を引き出し高めていく活動でもあります。
当日は、参加者がこれまで経験した思い出の数々を話し合い、終始和やかに話され、笑いの渦が各テーブルで巻き起こっていました。
Posted by ゴンザレスこと大西實 at
07:53
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2024年10月19日
電車内で新聞を読む
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.19第一面より引用掲載させていただきました。
新聞を縦に折り曲げ読む人のやがて消えゆく
そのめくる音
加古陽『夜明けのニュースデスク』
昭和の時代、満員の通勤電車で新聞を読むサラリーマンがいた。彼らは新聞を上下に折り畳み、それをさらに縦長に折って読んでいた。片方の手は吊革を、もう片方の手は新聞を。狭い車内でギューギュー押されながら、それでも新聞を読んでいた人々。
スマホ全盛の今、そんな人も少なくなった。新聞を読む人もやがて消えてゆくのか。長年、新聞社に勤めた作者の慨嘆。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.10.19第一面より引用掲載させていただきました。
新聞を縦に折り曲げ読む人のやがて消えゆく
そのめくる音
加古陽『夜明けのニュースデスク』
昭和の時代、満員の通勤電車で新聞を読むサラリーマンがいた。彼らは新聞を上下に折り畳み、それをさらに縦長に折って読んでいた。片方の手は吊革を、もう片方の手は新聞を。狭い車内でギューギュー押されながら、それでも新聞を読んでいた人々。
スマホ全盛の今、そんな人も少なくなった。新聞を読む人もやがて消えてゆくのか。長年、新聞社に勤めた作者の慨嘆。(大辻隆弘)
2024年10月18日
蕎麦の花
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.18第一面より引用掲載させていただきました。
あまたなる翅(はね)を引き寄せ蕎麦の花
石山ヨシエ『砂柱(さちゅう)』
砂丘がある鳥取の人。蕎麦の花が咲く。か細い茎にびっしりと花が付く。満開とは蕎麦の花の形容かと思うほど、丈低い茎にも付く。
そこに翅ある虫が来る。どんな地に這う倒れた茎にも、無視しないで虫が付く。微かな羽音を立てて。蜜があるのであろう。
日が出て、遅がけの朝の散歩の途次、じっと見ていると、羽虫のような小さなものが無数に群れている。生きものとは、蕎麦の花も生きものならば、集る虫も生きもの。感動だ。茫然と眺める。(宮坂静生)
※日本農業新聞2024.10.18第一面より引用掲載させていただきました。
あまたなる翅(はね)を引き寄せ蕎麦の花
石山ヨシエ『砂柱(さちゅう)』
砂丘がある鳥取の人。蕎麦の花が咲く。か細い茎にびっしりと花が付く。満開とは蕎麦の花の形容かと思うほど、丈低い茎にも付く。
そこに翅ある虫が来る。どんな地に這う倒れた茎にも、無視しないで虫が付く。微かな羽音を立てて。蜜があるのであろう。
日が出て、遅がけの朝の散歩の途次、じっと見ていると、羽虫のような小さなものが無数に群れている。生きものとは、蕎麦の花も生きものならば、集る虫も生きもの。感動だ。茫然と眺める。(宮坂静生)
2024年10月17日
米を研ぐ
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.17第一面より引用掲載させていただきました。
流し台のかすかな傾き加味しつつお米の水を量る毎日 石田恵子『祖母ほほほ』
お米を研ぐ。炊飯器の釜の中に入れ、水を注ぐ。取り外し可能な釜の側面には、お米の分量に合わせて、注ぐべき水の嵩が横線で示されている。今朝は二合。そう思って、その線にぴったり合致するように、水量を調整する。
流し台はほんの少し傾いている。水と横線とがうまく合わない。少しずれてしまう。が、そこは慣れたもの。長年のカンで水を微細に加減する。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.10.17第一面より引用掲載させていただきました。
流し台のかすかな傾き加味しつつお米の水を量る毎日 石田恵子『祖母ほほほ』
お米を研ぐ。炊飯器の釜の中に入れ、水を注ぐ。取り外し可能な釜の側面には、お米の分量に合わせて、注ぐべき水の嵩が横線で示されている。今朝は二合。そう思って、その線にぴったり合致するように、水量を調整する。
流し台はほんの少し傾いている。水と横線とがうまく合わない。少しずれてしまう。が、そこは慣れたもの。長年のカンで水を微細に加減する。(大辻隆弘)
2024年10月16日
茶立て虫
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.16第一面より引用掲載させていただきました。
安心のいちいちあらぬ
茶立虫 上田五千石『天路』
いわゆる売れっ子俳人。1997年9月2日夜、「解離性動脈瘤」で急逝。最後の句である。働き盛り63歳であった。
わが心境をこれ以上正直に告白した句はない。
茶立虫は見た人は少ないであろう。顎が発達した虱(しらみ)に似た1㍉にも満たない昆虫。昔、蚕室の黄色くなった障子の下の桟が、がさがさ微(かす)かな音がする。それが茶立虫だった。
おれはしがない茶立虫。いつもくよくよ、いらいら落ち着かない。
ああ嫌だという。(宮坂静生)
※日本農業新聞2024.10.16第一面より引用掲載させていただきました。
安心のいちいちあらぬ
茶立虫 上田五千石『天路』
いわゆる売れっ子俳人。1997年9月2日夜、「解離性動脈瘤」で急逝。最後の句である。働き盛り63歳であった。
わが心境をこれ以上正直に告白した句はない。
茶立虫は見た人は少ないであろう。顎が発達した虱(しらみ)に似た1㍉にも満たない昆虫。昔、蚕室の黄色くなった障子の下の桟が、がさがさ微(かす)かな音がする。それが茶立虫だった。
おれはしがない茶立虫。いつもくよくよ、いらいら落ち着かない。
ああ嫌だという。(宮坂静生)
2024年10月15日
あんぽ柿
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.12第一面より引用掲載させていただきました。
あんぽ柿あんぽんたんと暮らしけり 高橋順子『泣魚句集』
歌は悲しき玩具とは周知。俳句は愉しき遺書である。眼に触れるのは後のこの世の好事家なので、思い切り私の本音を演出すればいい。
あんぽ柿は硫黄で燻蒸した干し柿。とろっと甘味抜群。「あんぽんたん」を呼び出すための枕詞風の呪いが効果的だ。唱えることで、自分を置いて早々と別世界へ旅立ってしまった親愛なあんぽんたんが彷彿とする。
作者はフランス文学に堪能な高名な詩人。連れ合いは直木賞作家の車谷長吉と私小説的俳句。(宮坂静生)
※日本農業新聞2024.10.12第一面より引用掲載させていただきました。
あんぽ柿あんぽんたんと暮らしけり 高橋順子『泣魚句集』
歌は悲しき玩具とは周知。俳句は愉しき遺書である。眼に触れるのは後のこの世の好事家なので、思い切り私の本音を演出すればいい。
あんぽ柿は硫黄で燻蒸した干し柿。とろっと甘味抜群。「あんぽんたん」を呼び出すための枕詞風の呪いが効果的だ。唱えることで、自分を置いて早々と別世界へ旅立ってしまった親愛なあんぽんたんが彷彿とする。
作者はフランス文学に堪能な高名な詩人。連れ合いは直木賞作家の車谷長吉と私小説的俳句。(宮坂静生)
2024年10月11日
輪島朝市
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.11第一面より引用掲載させていただきました。
朝市にあけびなつめなど並びゐて輪島のまちの秋にほひたり 仙田由美子『春鐘』
石川県輪島市を訪れた時の歌。朝市にテント張りの店がずらっと並ぶ。
魚、野菜、乾物。ありとあらゆるものがそこに並んでいる。近くで取れたアケビの実、ナツメの実。都会では見る事が出来ない山あいの果物の香りに、作者の旅情はいやが応にも高まってゆく。
朝市に果実が並ぶ。そんな穏やかな秋の日が輪島の町に戻ってきますように。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.10.11第一面より引用掲載させていただきました。
朝市にあけびなつめなど並びゐて輪島のまちの秋にほひたり 仙田由美子『春鐘』
石川県輪島市を訪れた時の歌。朝市にテント張りの店がずらっと並ぶ。
魚、野菜、乾物。ありとあらゆるものがそこに並んでいる。近くで取れたアケビの実、ナツメの実。都会では見る事が出来ない山あいの果物の香りに、作者の旅情はいやが応にも高まってゆく。
朝市に果実が並ぶ。そんな穏やかな秋の日が輪島の町に戻ってきますように。(大辻隆弘)
2024年10月09日
金木犀
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.09第一面より引用掲載させていただきました。
ゆくりなく木犀(もくせい)香るわが町を出(い)でて南へ夫と旅立つ 山本文子『お茶の水橋』
金木犀はまず香り。どこからかふっとあの甘い香りが漂ってくる。あ、10月だ、と思う。
この歌の初句「ゆくりなく」は「思いがけなく」「突然に」という意味の古語。まさしくあの香りはゆくりなく私たちのもとに訪れてくる。
金木犀が香り始めた朝、二人は南の街に旅立つ。この旅はきっといい旅になる。そんな確信が胸に広がる。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.10.09第一面より引用掲載させていただきました。
ゆくりなく木犀(もくせい)香るわが町を出(い)でて南へ夫と旅立つ 山本文子『お茶の水橋』
金木犀はまず香り。どこからかふっとあの甘い香りが漂ってくる。あ、10月だ、と思う。
この歌の初句「ゆくりなく」は「思いがけなく」「突然に」という意味の古語。まさしくあの香りはゆくりなく私たちのもとに訪れてくる。
金木犀が香り始めた朝、二人は南の街に旅立つ。この旅はきっといい旅になる。そんな確信が胸に広がる。(大辻隆弘)
2024年10月08日
テントウムシ
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.08第一面より引用掲載させていただきました。
ビル街の小さき公園に放ちやる無賃乗車の天道虫一匹 石田明彦『ロードノイズ』
作者は個人タクシーの運転手。夏の間、エアコンのために締め切っていた車窓を開ける。秋の爽やかな空気が入ってくる。
それとともにテントウムシが迷い込んできた。「おいおい、無賃乗車、ダメでしょ」。そう声をかけて、車を止め、外へ逃がしてやる。
公園の上に広がる秋の空に向かって、テントウムシはゆるゆると飛び立ってゆく。まるで何事もなかったように。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2024.10.08第一面より引用掲載させていただきました。
ビル街の小さき公園に放ちやる無賃乗車の天道虫一匹 石田明彦『ロードノイズ』
作者は個人タクシーの運転手。夏の間、エアコンのために締め切っていた車窓を開ける。秋の爽やかな空気が入ってくる。
それとともにテントウムシが迷い込んできた。「おいおい、無賃乗車、ダメでしょ」。そう声をかけて、車を止め、外へ逃がしてやる。
公園の上に広がる秋の空に向かって、テントウムシはゆるゆると飛び立ってゆく。まるで何事もなかったように。(大辻隆弘)