2022年10月21日
「封蠟」(ふうろう)
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.10.21第一面より引用掲載させていただきました。
手紙なら/書けただろうか/封蠟のような/釦(ボタン)をかけて思う 小林久美子『小さな径の画』

古いフランス小説などを読んでいると「封蠟」というものがよくでてくる。便箋の後ろに蝋を置き、そこに鏝(こて)を押し当てて封をする、あれである。その蝋には自分だけの模様が刻印される。
自分の服の釦(ボタン)を指でとめながら、作者は「あ、この釦、封蠟のようだ」と思ったのだろう。もし封蠟があるのなら、この気持ちをあの人に素直に書き送ることができたかもしれない。作者の空想はそんな風にひろがってゆく。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2022.10.21第一面より引用掲載させていただきました。
手紙なら/書けただろうか/封蠟のような/釦(ボタン)をかけて思う 小林久美子『小さな径の画』

古いフランス小説などを読んでいると「封蠟」というものがよくでてくる。便箋の後ろに蝋を置き、そこに鏝(こて)を押し当てて封をする、あれである。その蝋には自分だけの模様が刻印される。
自分の服の釦(ボタン)を指でとめながら、作者は「あ、この釦、封蠟のようだ」と思ったのだろう。もし封蠟があるのなら、この気持ちをあの人に素直に書き送ることができたかもしれない。作者の空想はそんな風にひろがってゆく。(大辻隆弘)