2021年10月28日

「態度」と「人格」「政治は人なり」

政治は言葉である。
選挙戦ならなおさら言葉の力が試される▼
話芸の達人、徳川夢声の名著『話術』(新潮文庫)をひも解く。同著は心構えから話し方の基本、座談や講演など場面ごとのこつを指南する。
「態度」と「人格」「政治は人なり」
まず、話術の前に人格ありき。「ハナシは人なり」「コトバは心の使い」。ここが肝。それがあっての伝え方。「『話術』とは『マ術』なり」。
「間」の取り方などは上級編だ▼手遅れかもしれぬが、立候補諸氏に「演説心得六箇条」のさわりを。「第1条自分が言わんとすることを、心の中に順序よく積み重ねておくこ」「第2条 聴衆の状態によって、言語態度など変通自在に加減する」など。以下、声の出し方、視線、身振り手振りに至るまでハードルは高い。「手なくして雄弁なし」とあるが、大仰だと鼻白む▼雄弁術の神様デモステネスの逸話も出てくる。雄弁術の秘訣を請け負う人に答えていわく「何よりまず、自分の態度に注意することが必要」。次に肝要なのは「態度に注意すること」。何度尋ねても同じ答えが返ってくる。夢声は、「態度」を「人格」に置き換えてみよと言う▼選挙も同様。政策第一だが、信を置ける人柄か、心からの言葉なのか。つかまるところ「政治は人なり」。

※日本農業新聞2021.10.28第一面『四季』より引用させていただきました。


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Posted by ゴンザレスこと大西實 at 15:44│Comments(0)出来事

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