2025年04月02日
四月初旬
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.04.02第一面より引用掲載させていただきました。
みひらけどみえぬさくらよちりゆけば息つまるまでけはひみつるを 小原奈実『声影記』

あちらこちらから桜の便りが聞こえるようになった。忙しくて花見にもいけない。が、心のなかで桜を想像するだけで陶然とした気分になってくる。
若い作者のこの歌もそう。目を開いても桜の姿は見えない。が、花の噂を聞くや否や、心のなかは桜の冷え冷えとした気配でいっぱいになる。息が詰まって苦しくなるほどだ。
そんあ気分が続く四月初旬。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2025.04.02第一面より引用掲載させていただきました。
みひらけどみえぬさくらよちりゆけば息つまるまでけはひみつるを 小原奈実『声影記』

あちらこちらから桜の便りが聞こえるようになった。忙しくて花見にもいけない。が、心のなかで桜を想像するだけで陶然とした気分になってくる。
若い作者のこの歌もそう。目を開いても桜の姿は見えない。が、花の噂を聞くや否や、心のなかは桜の冷え冷えとした気配でいっぱいになる。息が詰まって苦しくなるほどだ。
そんあ気分が続く四月初旬。(大辻隆弘)
2025年03月26日
2025年03月26日
2025年03月22日
西の湖クリーン大作戦
船上から西の湖に流れ込んだ浮遊物(ゴミ)を回収しました!
3月21日(金)島真珠観光和船をチャーターして、まち協水の郷環境部会が中心となって、ゴミ回収を実施しました。思いのほか大型のプラスチック系ゴミ(買物籠やボックス箱など)が数多く、葭原との際に流れていました。琵琶湖の最大の内湖「西の湖」は泣いているでしょう!祖先から受け継いだ自然の宝庫、「西の湖」を、我々の手で守り育てましょう!

葭原へ上陸してのゴミ回収
西の湖ステーションで休息(参加者の皆さん)

船上からのゴミ回収(疲れます)



3月21日(金)島真珠観光和船をチャーターして、まち協水の郷環境部会が中心となって、ゴミ回収を実施しました。思いのほか大型のプラスチック系ゴミ(買物籠やボックス箱など)が数多く、葭原との際に流れていました。琵琶湖の最大の内湖「西の湖」は泣いているでしょう!祖先から受け継いだ自然の宝庫、「西の湖」を、我々の手で守り育てましょう!

葭原へ上陸してのゴミ回収


船上からのゴミ回収(疲れます)



2025年03月19日
島小学校卒業式
第78回島小学校卒業式
ご卒業おめでとう!!
19名の卒業生一人一人が大きく輝いていました。卒業証書を校長先生から受理する前に、中学校への抱負や、将来の夢を、大きな声で、参加者の前で語ってくれました。小規模校ならではの卒業式です。※校歌はわが母校ですので、大きな声で歌いました。(筆者)





ご卒業おめでとう!!
19名の卒業生一人一人が大きく輝いていました。卒業証書を校長先生から受理する前に、中学校への抱負や、将来の夢を、大きな声で、参加者の前で語ってくれました。小規模校ならではの卒業式です。※校歌はわが母校ですので、大きな声で歌いました。(筆者)





2025年03月15日
鰹船
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.15第一面より引用掲載させていただきました。
鰹船発(た)つ太き艫綱(ともづな)今外し 大林文鳥『幡多(はた)の風』

句集名の幡多は土佐西部、四万十川が黒潮満ちる土佐湾にそそぐ地。そこに小さな土佐佐賀漁港がある。自慢は鰹漁。一本釣鰹船が盛んで作者によると、鰹の水揚げ高ではここ十年ほど日本一を記録するという。
回遊魚の鰹が黒潮に乗り太平洋沿岸部に接近する春は、港から、鹿児島沖や小笠原沖へ出漁する。
それが「鰹船発つ」。溌剌たる土佐の春野地貌季語に感激する。鰹船は鰹とともに北上し、東北沖まで漁を続け、夏を迎える。秋には戻り鰹となり南下する。(宮坂静生)
※日本農業新聞2025.03.15第一面より引用掲載させていただきました。
鰹船発(た)つ太き艫綱(ともづな)今外し 大林文鳥『幡多(はた)の風』

句集名の幡多は土佐西部、四万十川が黒潮満ちる土佐湾にそそぐ地。そこに小さな土佐佐賀漁港がある。自慢は鰹漁。一本釣鰹船が盛んで作者によると、鰹の水揚げ高ではここ十年ほど日本一を記録するという。
回遊魚の鰹が黒潮に乗り太平洋沿岸部に接近する春は、港から、鹿児島沖や小笠原沖へ出漁する。
それが「鰹船発つ」。溌剌たる土佐の春野地貌季語に感激する。鰹船は鰹とともに北上し、東北沖まで漁を続け、夏を迎える。秋には戻り鰹となり南下する。(宮坂静生)
2025年03月14日
定年退職
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.14第一面より引用掲載させていただきました。
これからは呼ばれぬ夫の役職の名前をとても気に入っていた 篠田理恵『記憶の接点』

年度末、定年退職の季節でもある。長年、公務員として働いてきた作者の夫にも、退職の朝がやってきた。
それは作者にとって、夫の役職名から解放される日でもある。「○○長の奥さん」とは、もう呼ばれなくなってしまうのだ。気軽にはなる。が、ちょっとだけ残念。
そんな気持ちを作者は素直に言葉にしている。退職は配偶者にとっても、人生の転機なのだ。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2025.03.14第一面より引用掲載させていただきました。
これからは呼ばれぬ夫の役職の名前をとても気に入っていた 篠田理恵『記憶の接点』

年度末、定年退職の季節でもある。長年、公務員として働いてきた作者の夫にも、退職の朝がやってきた。
それは作者にとって、夫の役職名から解放される日でもある。「○○長の奥さん」とは、もう呼ばれなくなってしまうのだ。気軽にはなる。が、ちょっとだけ残念。
そんな気持ちを作者は素直に言葉にしている。退職は配偶者にとっても、人生の転機なのだ。(大辻隆弘)
2025年03月13日
韮(ニラ)
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.13第一面より引用掲載させていただきました。
切り口のざくざく増えて韮(ニラ)にほふ 津川絵理子『はじまりの樹』

韮は古く「茎韮」といった。万葉集東歌に女二人の春野の韮摘み掛け合い歌がある。粋な歌だ。
「摘んでも摘んでも籠に増えないわ」。「いい人と摘めば・・・・・・」。
中華料理に欠かせない韮は中国原産。掲句も餃子でも作るために俎(まないた)で韮を切っている。こちらは細い茎の韮が切られ、増えるは増えるは。
作者は東歌を承知であったか。どこか庶民的。東歌風なのが面白い。
私事ながら、長い間餃子は苦手。最近ようやく韮の隠し味の魅力がわかるようになった。(宮坂静生)
※日本農業新聞2025.03.13第一面より引用掲載させていただきました。
切り口のざくざく増えて韮(ニラ)にほふ 津川絵理子『はじまりの樹』

韮は古く「茎韮」といった。万葉集東歌に女二人の春野の韮摘み掛け合い歌がある。粋な歌だ。
「摘んでも摘んでも籠に増えないわ」。「いい人と摘めば・・・・・・」。
中華料理に欠かせない韮は中国原産。掲句も餃子でも作るために俎(まないた)で韮を切っている。こちらは細い茎の韮が切られ、増えるは増えるは。
作者は東歌を承知であったか。どこか庶民的。東歌風なのが面白い。
私事ながら、長い間餃子は苦手。最近ようやく韮の隠し味の魅力がわかるようになった。(宮坂静生)
2025年03月12日
北へ帰る雁と鴨
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.12第一面より引用掲載させていただきました。
街川に飛沫(ひまつ)散らして羽ばたける雁の群れなり北に帰らむ 青木陽子『転生』

雁は渡り鳥。晩秋、北から隊列を組んでやってきて、春また北へ帰ってゆく。俳句に「雁帰る」という季語もある。
ひと冬を日本で過ごした鴨も、そろそろ北へ帰るべき時を迎えた。数ヶ月、美しい羽根の色を愛でながら、観察してきた鴨たちも旅立ちの日は近い。
そう思うと、街の真ん中を流れる川で、戯れている姿が、なんとなく切なく見つめられてしまう。(大辻隆弘)
※日本農業新聞2025.03.12第一面より引用掲載させていただきました。
街川に飛沫(ひまつ)散らして羽ばたける雁の群れなり北に帰らむ 青木陽子『転生』

雁は渡り鳥。晩秋、北から隊列を組んでやってきて、春また北へ帰ってゆく。俳句に「雁帰る」という季語もある。
ひと冬を日本で過ごした鴨も、そろそろ北へ帰るべき時を迎えた。数ヶ月、美しい羽根の色を愛でながら、観察してきた鴨たちも旅立ちの日は近い。
そう思うと、街の真ん中を流れる川で、戯れている姿が、なんとなく切なく見つめられてしまう。(大辻隆弘)
2025年03月11日
東日本大震災
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.03.11第一面より引用掲載させていただきました。
春北斗つらなり眠る死者生者 『長友厳俳句集成』

東日本大震災から14年が経つ。忘れ難い体験は人生観を変えた。
柳田邦男の「『死後生』を生きる」(文藝春秋)が好評だ。人生は死で終わらない。肉体は消えても生前の愛や思いは語り継がれる。そればかりではない。
度重なる震災や災害による、元気であった者の突然の死はこの世そのものの在り方を変える。
この世は現存者と死者とがともに語り合い、よりよい生き方を模索しているのではないか。春の北斗星が見下ろしている。(宮坂静生)
※日本農業新聞2025.03.11第一面より引用掲載させていただきました。
春北斗つらなり眠る死者生者 『長友厳俳句集成』

東日本大震災から14年が経つ。忘れ難い体験は人生観を変えた。
柳田邦男の「『死後生』を生きる」(文藝春秋)が好評だ。人生は死で終わらない。肉体は消えても生前の愛や思いは語り継がれる。そればかりではない。
度重なる震災や災害による、元気であった者の突然の死はこの世そのものの在り方を変える。
この世は現存者と死者とがともに語り合い、よりよい生き方を模索しているのではないか。春の北斗星が見下ろしている。(宮坂静生)