心の底

ゴンザレスこと大西實

2024年10月25日 08:35


おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.25第一面より引用掲載させていただきました。
ひとりてふ水底のあり黄落す          飯田晴『まぼろしの雨』

 秋は並木や堤のポプラや銀杏の黄葉が美しい。ひんやりと冷気が心の底に溜まる。一人一人の自分の不思議な水底を意識する。
 普段は、分かり切ったルールに従って暮らしているが、不意なる思いに驚くのも夏が終わり、冬を迎える秋に多い。忘れていた父母や友人との出会いの場が蘇る。私事を記す。
 生涯に一度も両親との旅をせず、国技館での好きな大相撲を見せてやることもなかった。親友の最期を看取れなかったことも、みんなの心の底に沈殿している。(宮坂静生)

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