駅ピアノ
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.10.31第一面より引用掲載させていただきました。
行く秋の駅のピアノにたゆたえる少年の指触覚めきて
久保みどり『空はパレット』
十月も今日で終わり。「行く秋」というほどではないけれど、いつの間にか、今年の秋も既に半ばを過ぎた。
駅頭にピアノが置かれている。「駅ピアノ」ってやつだ。あれを弾くには少し勇気がいる。おずおずと少年が近づいてゆき、音を探るように鍵盤に触る。その指は白と黒の鍵の上で、あてどなく漂っているかのようだ。たゆたうように過ぎてゆく秋。(大辻隆弘)
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