梅雨
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.06.04第一面より引用掲載させていただきました。
春と夏のさかひはなくてあをき実のうめが葉かげにあるをそれとす 江田浩司『艸影集』
梅雨という言葉の原義は、梅の実が生るころの雨。その言葉どおり、梅の木にあざやかなの丸実が顔をのぞかせるような季節になった。その表面はまるでビロードのような細かい産毛に包まれている。美しい。
作者はその光景を見て、夏が来たのだと思う。春と夏との境は目に見えない。作者の心のなかでその境目を決めるだけだ。葉かげの梅の実を見て、今日から夏、とふんぎりをつける。(大辻隆弘)
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