蒲公英(タンポポ)
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.04.17第一面より引用掲載させていただきました。
惜しみなき蒲公英(タンポポ)の絮挽歌(わたばんか)なり 小倉大『鷹の百人』
北海道の好きな人であった。
私は作者の句「えぞにうや牧舎に戻る牛の列」を思い出す。連想は名高い寮歌「羊群声なく牧舎に帰り」(都ぞ弥生)に及ぶ。掲句も北海道詠か。
晩春に蒲公英が絮を飛ばす。それが挽歌とは。作者の愛妻が早く逝去している。句からは俳人であった妻の面影を蒲公英に重ね偲んでいる。
私は藤田湘子の同門であったが、「クロネコヤマト」の小倉昌男さんとは長い間知らずにいた。身障者を助け、つねに弱者の味方の大人。慈愛溢れた士であった。(宮坂静生)
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