四月、もう一度

ゴンザレスこと大西實

2025年04月16日 08:39

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2025.04.16第一面より引用掲載させていただきました。
うすき茶の茶柱噛(か)みつつわれらより清く貧しい朝ドラの女(ひと) 大野道夫『冬襤褸』


作者はあまり豊かではないのだろう。茶葉を節約した茶を入れて、浮んだ茶柱を噛み締める。わびしさが立ち上がってくる。
 テレビをつけてみる。朝ドラが放映されている。そこに登場するのは、自分より貧しい主人公のけなげな姿である。厳しい境遇にありながら、常に前向きだ。
 その生き様を見て、自分ももう一度、生き直してみよう、と思う。そんな四月。(大辻隆弘)


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