紙を捌(さば)く
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.04.16第一面より引用掲載させていただきました。
春色のA4捌(さば)き損なって静かに深く切られる中指 泉茫人『丸腰でゆく』
会社や学校ではA4判の書類が主流となった。なつかしいB5判のプリントはもう絶滅寸前だ。紙の材質も変わった。やわらかくくすんだ藁半紙(わらばんし)は完全に絶滅。真っ白な再生紙ばかりが使われるようになった。
安くて白い再生紙だけれど硬いのが難点。紙を揃えようとしてしばしば指を切ってしまう。その傷口はけっこう深い。せっかく春色の紙なのに、その痛みで一日が台なしになる。(大辻隆弘)
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