蜘蛛の巣
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.04.10第一面より引用掲載させていただきました。
暖かきひざしのなかに糸を張る蜘蛛のむこうに
淡く空あり 浜田順子『草の穂』
暖かくなって虫たちもそれぞれの活動を始めている。クモもそう。軒に一生懸命、自分の巣を作っている。
彼はまず二か所を結ぶ長い糸を張る。そしてそれを幾筋の糸で補強していく。透明な糸が春の光を受けてキラキラと輝いている。ふと見るとその向こうに花曇りの春の空。淡い青色が作者の目に飛び込んでくる。
作者の娘は歌人であり小説家でもある早坂類。この歌集は娘の思いによって編まれた一冊。(大辻隆弘)
関連記事