桜満開
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.30第一面より引用掲載させていただきました。
満開の花暗くする花の奥
倉田明彦『卵』
満開の花を詠いたいと挑戦するのだが、これという句ができない。大方の俳人の思いであろう。
掲句は花の奥が暗いという一瞥(いちべつ)の感触を捉えられ納得できる。咲き揃うことは明るくない。これでもかという花にも力が入る。
花の盛りの暗い思いを感じても、人は誰にも話さない。私だけの感じ方であって「私の人生暗かった」という私の偏見の投影のように思ってしまうのではないか。
歳をとると偏見が面白くなる。完璧よりも楽しい。(宮坂静生)
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