暁の空に鳥

ゴンザレスこと大西實

2023年01月14日 07:55

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.01.14第一面より引用掲載させていただきました。
薄明の空渡りゆく鳥のこゑわが夢にまで忍び込み来ぬ     平田利栄『タスマニアの空』

 朝、布団から出にくい季節になった。暖かい布団の中でいちまでもまどろんでいられたらな、どんなにかいいだろう。
 夢かうつつか、判然と意識のなかで、作者は、ひと声、鳥の声を聞く。未だ覚め切っていない明け方の夢のなかに、一羽の鳥が忍び込み、空を渡っているように感じる。
 一月の夜明けは美しい。窓の暁光がまどろむ彼女の頰をうっすらと照らしている。(大辻隆弘)


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