一瞬の気の緩みが、大きな過ちに繋がる

ゴンザレスこと大西實

2021年08月09日 10:25

緊張を解いている時ではない!
茶のもてなしの場で失敗が起きるのは、茶をたてているその時ばかりではないらしい。
『茶の湯すぎて和らぐ時にこそ上手下手あり』
江戸期の賢人言葉を茶道研究者筒井紘一さんの著書に教わった。誤りは、茶事が済んで緊張を解いたときに現れると▼

▼コロナ禍の中で東京五輪が幕を閉じた。終わったと緊張を解く時とは思えない閉幕だろう。開催が感染に対する気の緩みにつながったと指摘されている。和らいだときに、さらによからぬ辞退が現れないか、不安が残る▼

選手の活躍は開幕から最終日まで見事だった。同感の方は多そうだが、数多くのメダル獲得に何度もじんとなった。サッカーや陸上競技のリレー、マラソンなどメダルに及ばなかった選手達からは大勝負の醍醐味を見せてもらった気がする▼

▼閉会式を見ながら、いい大会であったと和らげる大会であれば、どれほどよかったか▼簡素に、選手本位に回帰し、政治の影響からも脱して・・・五輪再生の転機にしなければならない大会であるはずだ。主催者は早くも成功を口にしているが、緊張を解いている時ではないだろう。
※中日新聞2021.08.09第一面「中日春秋」より引用させて頂きました。


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