瀧の前に立つ
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.06.28第一面より引用掲載させていただきました。
五十年なぞは束の間滝の前 鈴木しげを『普段』
大きな滝がごうごうと水量を落とす。なにも思い浮かばない。僅かに歳をとったなという単純な思いのみ。自然の大きさの前では身一つが揺さぶられる。
作者が俳誌「鶴」入会し、石田波郷に師事して以来50余年。2013年には同誌の主宰に就く。
夢中であった半世紀。過ぎてみれば、束の間。淡泊である。それだけ一日一日やれることはやってきた充実感に満たされた思いがあろう。
掲句の滝は波瀾万丈の昭和史が思い浮かぶ。(宮坂静生)
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