菜の花のからし和え

ゴンザレスこと大西實

2024年03月25日 10:45

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.25第一面より引用掲載させていただきました。
香の強き辛子で和(あ)えたる菜の花を肴(さかな)にすれば鼻にくる春    武田豊「抱える棘」

菜の花のからし和えが食卓に並ぶ季節である。子どもの頃あれは嫌いだった。無理して食べると、鼻にツンとくる。噛むに苦みが口いっぱいに広がる。大人はなんでこんなものが好きなんだろう、と不思議だった。
 が、味覚というものは変わるのだ。大人になって食べると、あの辛みと苦みがなんともいい。私は下戸だが、日本酒のサカナにしたらきっとお酒がおいしく飲めるのだろう。そんなふうに想像したりする。(大辻隆弘)


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