なまけもの
おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2024.03.13第一面より引用掲載させていただきました。
永き日を嘆くも憂きか樹獺(なまけもの) 高橋睦郎『花や鳥』
一生の間樹にぶら下がって暮らす「なまけもの」。樹に獺(かわうそ)と書く。哺乳類である。呼称はなまけものでも想像しただけで、ご苦労さんと一言声を掛けたくなる。私は拝顔したことはないので、パンダの貌のような縫いぐるみの剽軽貌(ひょうきんがお)を想像するばかり。
掲句の作者は詩人であるが、能・狂言からオペラの台本まで書かれる。働き者で、なまけもの好きが面白い。
春の日永のぶら下がりは思うさえ物憂い。食物は新芽が好物。排泄・排尿は週に一度、樹から降りて地上で済ますとか、人臭い。(宮坂静生)
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