初桜

ゴンザレスこと大西實

2023年04月03日 14:40

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞第一面より引用掲載させていただきました。
人はみななにかにはげみ
    初桜
    深見けん一『花鳥来』

 桜が咲く四月は世の中が何かを始める時である。学校では新学期、官庁や会社では新人のスタッフへのオリエンテーション。「なにかにはげみ」とはじーんと心に沁みる言葉である。子どものころから親や先生や先輩から教えられたこともこの一点であった。
 作者は今年初めて咲き出した桜を見ていて、ふと心が飛躍し、この一点を授かったという。同時に俳句は重ねるものともいう。ピカピカの新人が知恵を授かる。重ねる季節が始まる。
              (宮坂静生)


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