山笑ふ

ゴンザレスこと大西實

2023年02月24日 10:35

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2023.02.23第一面より引用掲載させていただきました。
手のとどきさうで遙(はるか)や山笑ふ        田淵ひで子『木椅子』

 山笑うとは桜咲く春たけなわの山を捉えたことばではない。出典は北宋の郭熈(かくき)「春山淡冶(たんや)にして笑ふが如く」(「林泉高致」)との画論からであるが、日本人の感性では早春の季語ではないか。
 作者は高山蝶の研究で知られ、山岳写真家でもあった田淵行雄の夫人。一年中山への関心を持ち続けていた人である。大野林火門。
 安曇野市豊科に住み。常念岳の番人を自称した。夫を「お父ちゃん」と呼び、いつか夫が籠もる常念岳がお父ちゃんであった。(宮坂静生)


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