夏越しのお祓い

ゴンザレスこと大西實

2022年06月30日 08:46

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.06.30第一面より引用掲載させていただきました。
御祓いや砂地をはしる
   足のうら
    丈草『薦獅子集』

 陰暦6月晦日は夏の間の穢れを祓う「夏越しの祓」、御祓の日である。
 茅の輪潜り(ちのわくぐり)(管貫)や薄紙の人形で体を撫で、穢れを移して水に流す形代の行事が知られる。海辺や川辺など水辺で行われる。
 掲句は形代流しの砂地を走る素足の感触を詠んだもの。砂粒がちくちく当たり穢れが離れる実感がそこにある。
 丈草は僧名であるが、元犬山藩士。早く隠棲して、清貧の暮らしを求めた俳人。地味な句柄に「さび」の味わいがある。
          (宮坂静生)


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