沙羅の木

ゴンザレスこと大西實

2022年06月20日 10:08

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2022.06.20第一面より引用掲載させていただきました。
夫(つま)のため春に植ゑたる沙羅の木が一尺伸びて梅雨深みゆぐ   竹山妙子『さくらを仰ぐ』

 平家物語に出てくる沙羅双樹は、日本の沙羅とは別の植物だという。でも日本の沙羅も美しい。ナツツバキとも呼ばれるその木は、梅雨の頃、白い清楚な花を咲かせる。
 夫の気持ちを慰めそようと植えた沙羅。春から初夏、初夏から梅雨と季節は移り、その木は枝を伸ばした。雨に濡れたその花を作者は夫と見つめたことだろう。
 竹山妙子は長崎の歌人・竹山広の妻。この歌集は、彼女の遺歌集である。(大辻隆弘)


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