掛け売り

ゴンザレスこと大西實

2021年12月21日 09:34

おはよう!今日の名歌と名句
※日本農業新聞2021.12.21第一面より引用させていただきました。
だいぢやうぶ、
かならず返す。切実な響きもろともたそがれる街
 
小佐野弾『銀河一族』



 江戸時代の商売は掛け売りで行われていた。一年のツケを大晦日に払う。取り立てる者と、そこから逃れようとする者。その間に様々な悲喜劇が生まれた。
 今はそんな時代ではないけれど、歳末になるとやはり「金」にまつわる悲喜劇が繰り返される。返却する見込みもないのに「大丈夫、必ず返す」とうそぶき借金をする人、その言葉を疑心暗鬼になって聞く人。
 十二月の巷で今年も散見する、そんな人の営み。
                             (大辻隆弘)


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