鶏頭の襞(ひだ)

ゴンザレスこと大西實

2021年09月25日 09:05

おはよう!今日の「名歌と名句」
※日本農業新聞2021.09.25第一面より引用させていただきました。
汗ばみてをり鶏頭の
襞(ひだ)のなか
   奥坂まや『うつろふ』


鶏頭は肉厚。擬人化したくなる。秋の日を燦燦と受け、暗褐色の鶏冠状の襞の中は汗ばんでいる。
生きることを考えている。子規の名高い鶏頭の十四、五本の句も、大掴みに生存とはなにかと、考えている。
 掲句はもっと鶏頭の中に入り、肉感的な迫り方をしている。恋人にでも触れている感じ。そこで生きていることを実感したいと思っている。
 作者は鶏頭を「束の間の生を共にする季語」という。どこか死生観が漂う。  (宮坂静生)


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